クイズ大会は終了しました
「……勝った。優勝したぞ私は!」
そう叫んでいるのは最後の問題で氷の神の中で最も長い名前を持つ者を一言一句間違えずに答えろという問題で有り、彼女は無事にやり遂げていた。寿限無並に長い名前の由来も寿限無という少年と同じ様な理由で付けられたのだが、勘違いで間違えた大橋と瑪瑙はかなり落ち込んでいるのだった。
ちなみに最終順位は1位エスト、2位ドラッヘナー姉妹、同率3位の大橋と瑪瑙という結果となった。ただ、同率だからといって3位の食事を二回出せる訳が無かった為、2人は主食、主菜、副菜、汁物、デザートと項目を分けてジャンケンを行っている。しかしあいこを出し続けている為、エストとドラッヘナー姉妹は同時に食べ始めるのだった。もっとも、ドラッヘナー姉妹はどちらが3分の2にするかと2人と供にジャンケンをしている。
そんな中正座をして夕食となった1位の食事をエストは拝みながら食べ始めようとする。しかし旅館等でよく出てくる青い固形物が下に組み込まれた鍋については疑問符を浮かべているのであった。
「……小さく、そう小さく火を……。」
最終的に固形燃料に近い物だと認識したエストは鍋に火を付ける事に成功していた。これはあくまで自分の主観だが鍋と青い固形燃料を使う旅館で座りながら食べる様な物の殆どはすき焼きや出汁鍋などの鍋料理が多い気がする。だが、中にはサイコロステーキ等の肉類が入っているのだった。
「……修学旅行では普通に鍋料理だったのに何が起きたのかしらね……。まぁ、普通に美味しいだろうから良いけどを」
「ところで大橋さん。このおひつに入ったご飯をどう思いますか?」
「……凄い、紫です。……いやなんでゆかりご飯で固定なのよ!好きな人は好きだろうけどこのおかずでやるのは無理があるわ!」
大橋は元々の最下位が食べるはずだった組み合わせを確認する。その主菜?となっているカレー(レトルト・そこそこ冷えてる)を見てアレは無いと思うのだった。少なくともゆかりご飯とレトルトのカレーは合わないだろうと思いながらじゃんけんを続けているのだった。
「……しかしこの天ぷらも中々美味だな……。これだとおひつがいくつあっても足りないのでは無いか!?ただこれ量が少しだけ少なく感じるぞ……?」
「多分味と見栄えを意識しすぎた結果、一品一品の量がなんとなく少なく感じるアレね……。なんというか、これはいらないから代わりにこれを増やして欲しかった的な感覚。」
コース料理あるあるみたいな事を話しながら未だにジャンケンを続ける2人をよそに、エストはクイズ大会が始まる前にやらされた苦行はこの料理の素晴らしさをより実感する為の試練では無かったのか!?と思うほどに味わって食べている。その様子から少しだけ別の者達からジト目で見られているアベルはまた別の食事の時にとその場を収めるのだった。
活動報告に書いた理由から毎日更新が出来なくなります。




