VSアルティメットゴブリン 大橋編-2
ワンパターンな攻撃しか出来なかった大橋が徐々に臨機応変に対応できるようになっていくと同時に、アルティメットゴブリンへ与えるダメージも少しずつ大きくなっていき、他の3人と比べるとかなり長丁場となってしまったものの、無事にアルティメットゴブリンを倒す事に成功したのだった。
「そういえば気になったんだけど……アルティメットゴブリンって魔法を使わないの?炎とかの単体の奴。」
「今は使わないだけじゃな。」
トキトウがそう言うと大橋はため息をついていた。今は使わないという事はそれだけ舐められているという事だからだ。一番最初に訓練を始めた大橋だが、魔力関連の修行で遅れていた為に一番強いとは言われない為、さらにため息の時間が長くなっていた。
「しかし大橋よ。お主は強者の戦い方について全く知らぬようだな。」
「殆ど気絶していたのよ。」
「せめて【王魂の林檎】を食した王を瞬殺した執事とやらの闘いを見ておれば話は別だったんじゃがの。儂は話しか聞いておらんがあの様な事など滅多に起こらんぞ?」
トキトウはそう言いながら壊れた銃剣を回収する。ただその銃剣の刃とこれまで使ってきた銃剣の刃が違うことに大橋は今更ながら気付いていた。
「その刃……これまで使っていた鉄鉱石じゃなくてオリハルコンじゃない!!なんでそれでも負けていたのよ……。」
「アホじゃなお主は。オリハルコンは打撃や斬撃にも魔力を通すことが求められるが……そうしない場合はより正確な斬撃が必要なんじゃ。そうしなければ折れはせずとも弾かれるんじゃよ。ガードされた時みたいにな。」
トキトウはからかうように大橋の頭をポンポンと叩く。ただ、大橋はそれを聞いて倒れる事しか出来なかった。ただ、トキトウが風呂へ行けと言った為、未だに帰ってこない3人組にそろそろ戻ってこいと言うついでに入ってこようとするのだった。
ただ、風呂で待ち構えていたのは逆上せあがって気絶しているエストとそんな状態のエストに牛乳と付く飲み物をひたすら飲ませて冷やそうとしているドラッヘナー姉妹の姿があった。
「……や、やめ……フルーツ牛乳の後にピリ辛牛乳とツン辛牛乳を入れるのは……ゴブッ!」
ピリ辛牛乳というハバネロの粉末を混ぜた物と、ツン辛牛乳という山葵を混ぜた牛乳を美味しいフルーツ牛乳の後に飲まされまくっているエストの様子を見て、大橋はしばらく風呂に入るのはやめておこうと思ってしまうのだった。
ちなみにこの2つの牛乳はとある村の村おこしとして作られていたが、失敗した物らしい。その為、味は二の次となっているため、逆上せて動けないエストにとっては死ぬに等しいほどの拷問と化していたのであった。