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VSアルティメットゴブリン 大橋編-1

腹筋の痛みに耐えながらジャンケンした所、大橋がパーを出して負けていた。この結果から大橋は腹筋の痛みを抑える為に頭の中でひたすらコーナーを曲がりきれないドラム缶を消していたのだった。


「……でも魔法が使えないのはキツいわね……。刃を強化する事すらできないのはキツすぎるわよ。」


銃剣使いとなっていた大橋にとって銃剣1本だけでは流石に無理だと判断したのか、トキトウは予備の銃剣を入れたアイテムボックスを渡していた。ただこれはダンジョンからの副産物で有り、ガチャ産の物と比べると容量は遙かに小さかった。まぁ、即席で作った様な物に必要最低限の魔力しか使われていないので仕方ないのだろう。


「……いや、これ本当に勝てるのかしら?いや、無理でしょ……。」


大橋が闘ったアルティメットゴブリンは先程までのアルティメットゴブリンと格が違っていた。先程までCPUが動かしていた者ならば、このアルティメットゴブリンは戦い方を熟知したプレイヤーが操作している様な程圧倒的に大橋をボロボロにしたのだった。


「流石にファイズ並のAIを軽く埋め込んだらそうなるわな。まぁ、ゲームで言えばゾンビアタック……かの?」

「とゆーかなんで私だけここまでハードモードなのよ……。」

『まぁ、開発当時の私のAIクラスでも余裕で倒せますね。これが本来のアルティメットゴブリンになった感じなので頑張ってください。』


大橋は渋々とゾンビアタックの様に魔力で傷を治してからダンジョンへと向かう。ただ、大橋はこのまま一生勝てないのでは無いかという錯覚を味わっていた。実際CPUの強さを最強にした物に勝ったからと言って現実世界で勝てるわけでは無い。先程までの様な一方的な攻撃や防御策の連打とは違い、死なない程度に痛めつけてくるその動きは大橋を苦しめていた。


「……これなら……でも……いや……こうすれば……こう……」


大橋は虚ろな目をしながらアルティメットゴブリンの元へと向かう。その様子を見て瑪瑙が変わりますよ?と話しかけたが大橋はその提案を断り、何度も何度も闘っていた。


「格上って訳じゃ無い……魔法を使えば楽に勝てる相手……だから……ここは……こうして……」


最初はすぐにガードされて瞬殺されていた大橋は徐々にカウンターに対してカウンター返しを行える様になり、少しずつだがアルティメットゴブリンにダメージを与えられる様になっていた。その様子を見て瑪瑙は、某格闘ゲームで誰でも必殺技を乱発できるモードから完全にコマンド式のモードで操作している感じになってきていると話していた。


だが、大橋はまだ完全コマンド式のモードを使えるようになってきているだけで使いこなせている訳では無い為、またボロボロになりながら戻ってくるのだった。

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