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VSアルティメットゴブリン エスト編-2

アルティメットゴブリンが創り出した武器は〖ルーカ〗という刃が三角定規程のしか無い短剣だった。それを持ったアルティメットゴブリンはどこかゆらりゆらりと動き出すが、エストにはアルティメットゴブリンがどの様に動いているのかを理解するのに時間が掛かっていた。


「……何を仕掛けてくる?」

「ゲギャギャギャ!」


アルティメットゴブリンは自分を警戒しているエストを嘲笑うかのように動き始めた。もっともそれは千鳥足をしている酔っ払いの様に、ゆっくりフラフラしながらトン、トン、トンというオノマトペが出るかのようなリズムで歩いているだけだ。


実際最初は真面目に短剣を構えていたものの、アルティメットゴブリンはいつの間にか構えをとき、脱力しすぎと言える程の姿勢のままエストに近付いていた。ここで反撃をすればエストの勝ちになるほどアルティメットゴブリンはだらけた様子を見せるが、エストは警戒を解くことが出来なかった。


ただ、警戒心という者は余程の手練れであったとしても完全に警戒できる範囲は限られる。予想外の攻撃という物は誰にでも存在するが、エストの場合は警戒心を正面から近付いてくるアルティメットゴブリンにのみ向けていた。トキトウからアルティメットゴブリンと1対1という事を聞いていた為、この1体のアルティメットゴブリンだけを警戒すれば反撃できると思ったのだ。


しかし現実はそこまで甘くなかった。アルティメットゴブリンはふらっとした感じでエストの目の前から姿を消していた。あまりにも自然な形で横ステップを行ったアルティメットゴブリンはそのままスピードを上げてエストの首を切り裂こうと飛びついていた。


「嘘だろ!」


エストはいきなりアルティメットゴブリンが警戒していたエリアから姿を消した事や予期せぬ場所からの反撃で動揺してしまった。しかし、動揺した事で転げ回った事で結果的には首を切られずに済んでいた。


「……魔法が使えないなら……操作は難しいがいけるだろう。さぁ、いつでも来ると良い。」


エストは不本意な形で攻撃を躱された事により少しだけ怒りの表情を見せているアルティメットゴブリンを挑発した。するとアルティメットゴブリンは脱力する前と同じ構えを取って暫くの間動かなかった。


「……やはりこそこそやるのはあまり向いてないかも知れないが……結果オーライだ。一気に決めさせて貰う!」


エストはそう言いながらバックステップをしながらヨーヨーをアルティメットゴブリンへと投げた。これが後にアルティメットゴブリンの死因になるのだが、今のアルティメットゴブリンには確実にヨーヨーを避ける事に意識を向けてしまった為、この事に気付かないのだった。

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