魔法の杖を作るために拉致された人-5
「……なんというか、これ本当に武器になるのか分からない物もも多かったわね……。マジックハンドやハープなんか魔法無しでどう闘うのよ?結局は無難な銃剣選んだけど……これ、剣部分以外は使えない仕様になってるわね……。銃剣である事を第一に考えてる気がする。」
「後で魔法も解禁されればイメージがしやすいでしょうし、火薬などの誘爆みたいな不安要素が無くなるので問題ないと思いますよ?私はモーニングスターを選びましたけどね。」
2人でそんな話をしている中、エストはヨーヨーを何度か手にとってからため息を付いていた。ヨーヨーという物は普通は遊び道具として使われる物であり、発売当初は武器とカテゴリされる筈の無い物だった。
しかし現在ではヤンキー物の漫画でスケバン女子が使っている様なイメージが浮かぶ程、武器としても浸透している。実際、休載冒険漫画の主人公の親友がゲームの中編にてメインウェポンとして使用したり、某超能力少年が乱闘ゲームで上または下はじきで軽く人を吹っ飛ばしたり、星の戦士がひたすらブレイクダンスする以外の攻撃で使うコピーとしても有名だ。
ただ、エストは自分だけ遊び道具が1番しっくりくる事に苛立ちというか、呆れた感情を隠せなかった。まぁ、ヨーヨーは現在カードゲームが主流で次作からはそのカードゲーム以外はやった事無いといえる物で不良VS主人公コンビの抗争もあるにはあったが、アレは武器として使うシーンは無かった。
彼女はその漫画でのシーンを思い出して、これじゃあ倒せないよ……という表情をしていた。ただ、訓練すれば闘える様にはなるので大丈夫だ、信じようと思うのだった。ただ、彼女はその後、某カードゲームを主流とした漫画にドップリと嵌まるのだが、それはまた別の話だ。
ガチャの関係で現実世界にある物では無く、カードゲームの合間合間に初代初期の様なゲームが盛り込まれるという漫画版を読みつつ、彼女はさらにとあるヨーヨー漫画(ベーゴマ漫画の亜種のようなイメージの物)を読み、さらにドップリ嵌まり、手放そうとした事を有り得ないと言う時代が来るのだが……それはまた別の話。また別の機会に話すとしよう。
それから紆余曲折あって自分の武器を決めた大橋達は、ホブゴブリン達の蔓延るダンジョンの中へと進んでいく。ただ、魔法を使えないというルールから苦戦を強いられることになるが……最終的に弱音を吐く者はおらず、武器に慣れた頃にはホブゴブリン達の死体が大量に転がっている光景が広がっていったのであった。