ダンジョンの戦利品-2
「ダンジョンコアってそこまで小さくても良いの?」
「基本はデカい方がえぇと言われておる。じゃが、自由にいじくるにはこれ位の大きさの方が丁度えぇんじゃよ。」
マツリカはそう言いながらダンジョンコアを地下室に設置する。するとそこには小説でよくある様なメニュー画面がダンジョンコアから表示される。マツリカはその画面を操作してファイズと話しあいながらダンジョンコアに貯まっていたポイントを使用しているのだった。
「……いや、なんでポイントが貯まってるのよ……。」
「恐らくお主等の常識が優先されておるからのぉ……ダンジョンの設定をいじくるのに必要なのは侵入者の死と同時に自分で出したモンスターの死でもあった。つまりお主等が殺したモンスターの数だけポイントも貯まっておった訳じゃな。」
「どうせならポイントと一緒に不要な死体も片付けて欲しかったですけどね……。ゾンビを大量虐殺した結果、死々王ヘラスクレスとの闘いで足下を気にする必要ありましたよ……。」
2人はそう愚痴っていた。流石に吹き飛ばされたりして全身でゾンビの肉塊の中にダイブした訳では無いため思った以上に迫力は出なかったらしく、マツリカとファイズは2人の愚痴を物ともせずにダンジョンのポイントを割り振っていた。
「そういえばこのダンジョンでもモンスターを倒す事になるのは間違いないって思っているけど……あのダンジョンの様に破壊しないように配慮した方が良いの?」
「そんな事は無いのじゃよ。人の手が入ったダンジョンはダンジョン設立に関わった者達が権利を放棄するか死亡しない限りは復活するのじゃ。」
『貴方方にマツリカ様を殺せるだけの技量はありません。よって貴方方がこのダンジョンで訓練する際、壁や天井の再生まで生き埋めになる事はあれど、ダンジョンそのものの機能を失う事はありません。』
それを聞いて2人は納得していた。実際訓練に飽きたドラッヘナー姉妹が使った魔法を軽々しくいなしていた為、自分達との実力の差が遠すぎる事はよく分かっているのだから。
『さて、暫くの間はこちらで耐久テストをしていくので暫くはこのダンジョンを攻略しに行ってもらいます。まぁ、ゾンビなどがいない場所なので問題は無いでしょう。ただ、あのダンジョン都市はワイバーンで行く距離ですが。』
「……それ位なら問題ないわよ。ワイバーンくらいなら乗りこなしてみせるわ。」
『そう言われるとありがたいです。ただ、少々面倒な場所と秩序があるため、最初はその辺りの排除ですね。これまでは前線に出る強さを求めていましたが……今度は暗殺なども学んでみましょうか。』
2人はそう言われた後、また違った意味で辛い訓練を始める事となったのであった。