怨念籠もるダンジョン-4
あれから2人はダンジョンのボスだったヘドロリッチとゾンビキングを何とか倒した2人は、宝箱を回収していた。宝箱からは臭いはしていなかった為、2人は大急ぎでアイテムボックスの中に収納している。ただ、ボスを倒してからダンジョンを出る際、ボスと同格のモンスターが襲ってきた為、2人は普通に潜るよりも疲れていたのだった。勿論、キッチリとドロップアイテムは改宗しているのだが。
「ヘドロリッチは臭すぎましたよ。なんでヘドロに塗れているんですかあのリッチは!普通は清潔な体でしょうに……。ただ、臭いで鼻が曲がるかと思いましたよ……。」
「そうね……。でもゾンビキングも酷い臭いだったわ。アレは男性特有の臭いだと思うと……気持ち悪かったわ。」
2人は最終層で闘ったモンスターについて話ながらダンジョンから出てきていた。ただそこに2人の帰りを待っていたエストとドラッヘナー姉妹がいる事に気付いておらず、気絶している3人を見て改めて鼻の感覚が鈍っていると感じたのだった。ただ、3人をそのまま介抱する訳には行かないため、アイテムボックスからアイテムを全て出した後に消臭結晶を使うのだった。
「いやぁ、まさかあの様な体験をするとは思わなかったぞ。」
「あの!」
「臭いのは!」
「「もう体験したくない!!」」
「だから!」
「このダンジョン!」
「「埋める!!」」
「いや埋めない方が良いだろう。少なくとも勝手に埋めたら教官達に何を言われるか分かった物では無いぞ?」
臭いから気絶した3人は立ち上がるなりそんな言葉を話していた。ただ、気絶から復活した直後にまた気絶するというとある美食漫画と同じ様な展開にならなかった事は幸運だっただろうと思われる。
「……取り敢えずアイテムを仕舞ってから本拠地に戻るわよ…。」
「それならワイバーンを使わせて貰うか。少し遠くに待機させている。」
「2人が!」
「ダンジョンにいる間!」
「「騎乗訓練していたのさ!」」
2人はそう言いながら自分がワイバーンに乗れる事を自慢していた。流石に自分用のワイバーンは支給されていないため、バルボアが引き込んだメンバーの使用するワイバーンを借りているのだ。なのでワイバーンの事自体は自慢していないのである。
「臭いを消してからでないと乗れないけどな。」
「それは分かるけど……まぁ、私達も訓練は受ける事になるんでしょうね……。」
「そうだな。最初は身体強化関連の訓練だろうけどな。」
エストがそう言うと2人はまたあの訓練かとため息を付きながらワイバーンで帰るのであった。