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怨念籠もるダンジョン-3

カランコロンと音を立てながら骸骨ことスケルトンを喜々として倒している瑪瑙は、スケルトンを倒し終わった後、彼等が身につけていた腰布で足を拭くという行為を繰り返していた。


というのも数時間前、ゾンビが蔓延る1階層をなんとか突破した事で、鼻の感覚が麻痺してきた事もあって2人は足についたゾンビの肉片を拭き取る為の物を探しており、そんな時に現れたスケルトンは非常に優秀だった。


スケルトンは骨だけで出てくるのかと思えばそうでは無かった。恐らく彼等をスケルトンとして機能させているのであろう腰布と剣士ならば剣と腕輪、魔法使いならばネックレスと杖を持っていた。これにより2人はガチャポイントを徐々に取り戻していき、足に付いたゾンビの感触も段々と緩和されていた。


「……これ、1日で攻略しきる事出来ないんじゃ無いかしら?」

「そうですね。ただ、貰った〖消臭結晶〗は一つだけ。なのでここはガチャに助けを求めましょう。」

「……まぁ、禁止はされていないし問題ないわよね?いや、あくまで臭いをどうにかする感じだし……。」


スケルトンがメインとなる第2階層は正直に言うとそこまで臭いが酷くない。死臭とヘドロ臭さが無く、その代わりにカビ臭さが倍増している感じだろう。だが、1階層から服に染みこんだ臭いは消えていないのである。


「……お気に入りの服とかじゃなくて捨てても良いと思えるデザインの服だから良いけど…どうせなら触覚も麻痺して欲しいわ。そうすれば無心で攻略できるんだけど。」

「それは無理だと思いますよ?でも奇抜な服装なのは分かりますよ……。」


現在大橋が着ているのはヒョウ柄のトレーナーに濃い紫のもんぺであり、瑪瑙は般若心経を五十音表の縦に一つずらした物が書かれたトレーナーと赤色のもんぺであった。これはファッション系のガチャでなぜか当たった物であり、使い捨てならばと持っていた物なのであまり気にしないでいる様だ。


「スケルトンとゾンビの後は何が来るんでしょうね……?」

「レイスとかじゃないの?」

「そうかもしれませんが……何か嫌な感じがするんですよ。」


そう言いながら比較的サクサクと進めたスケルトン階層の階段前で2人はガチャで当てた携帯食を手に取った。本当は袋に二つ入っている物が欲しかったが、手を洗えない今、2人が望んだのは袋に1本入っているタイプの携帯食である。


「これ私はアップル味しか食べられないわ。」

「私は別の味でも食べれますけどね……。」

「発売仕立ての頃別の味食べてマズかった記憶があるのよ…。」


2人はそう言いながら携帯食本体を直接手を触れないまま食べきるのだった。ただ、次からは唇辺りに何かしらの対処をしなければと後悔するのはまた別の話だ。また今度話すことにしよう。

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