生徒会+α -5
「………………で、私に関する教師などの目が分かったから遠慮無く半殺しに出来る様になったのは良いとして……………次に考えるべき事がいきなり出来たという事だよなぁ……………。」
「………………そうだね。まさかここで廃教会や商会の方で動きがあるなんて思わなかったよ………………。もしかしたら、廃村の方でも何かあったかもしれないし。」
「まぁ、既にこの世界に転生してから三日たっているんだ。そろそろ動きがあってもおかしくない頃だっただろうよ。」
私の質問に答えた直後に、生徒会のグループチャットに1組と2組の滞在している場所に来訪者が来たらしい。そして、その滞在場所から別の所へと移るという事になったらしく、今になって落ち着いたので連絡したという事らしかった。
「…………………………クラリスちゃんと柚木ちゃんは聖騎士団の人に連れられてアスタリアって国に行くみたい。その団長さんの名前がリガルデッド・J・ロマリアらしいんだけど、アリアちゃんと何か関係があるのかな?」
「………………恐らく、私の家の誰かの子孫だと思います。アスタリアという国は私の母国であるので、ロマリアの名を継ぐ者がいてもおかしくはありません。……………まぁ、あの国ならば女性は暮らしやすい国ですから安心して貰っても構いませんよ。」
…………………いや、普通に男性もいるんですが……………。もしかして漫画や小説でよく見る女性しかいない国?と思った所、アリアマリンはすぐに弁明を始めた。まぁ、男性は即死刑とか奴隷とかになるという印象をすぐに消したかったのだろう。実際にそんな国では無さそうだし。
「………………外から男性が暮らしにくいのは、アスタリアに加護をもたらしている女神アインクリナーデが大層男の容姿が嫌いであるため、アスタリアに産まれてくる者を男女構わず女性の顔にしてしまうという事なのです。」
「………………………つまり、着替えやら恋愛やらの精神的な面で男は暮らしにくいという事なのか?」
「そうなりますね。神話の中でアインクリナーデは野獣のような容姿の神官であったウルゴスにこっぴどくフラれましたからね…………。まぁ、その内慣れるとは思いますが、主の学友の事を考えると少しだけ不安になりますね……………。」
…………アリアマリンと黒木はそんな会話を繰り返しているが、私と蔵鮫は彼女等がアスタリアに行く手段が騎獣……………ペガサスの馬車であるという事に驚愕していた。その関係で高所恐怖症の宮永からのコメントが入ってこないのか……………と思うと同時に、やはりあの廃教会からアスタリアは遠いのかと思うのだった。
なんせ、ラビネアからの距離にしたら『ニケ製のマウンテンバイク』での全力疾走をキープして丸10日くらいかけないと着かない場所なのだ。なので、1組のメンバーと今後会うことは無いだろうと思う私なのであった。




