VSワイバーン-1
この世界のワイバーンには三種類存在する。人間の家畜として食用として育てられている物、人間に従い騎獣として供に闘う物、そして最後に人の姿に変身でき、自由に生きる物である。ただ、あまり自由に暮らしていると弊害も起こる。
「「……バルボアさん怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです怖いです………。」」
「……誰かと思えばジャーナとサラバじゃねーかよ。何してたんだよ?いつの間にかいなくなっていた記憶しかねーぞ。」
「…サラバがワイバーンだったんですよ。ほら、捨て子として引き取ったじゃないですか……それでちょっと騎士団になりたいな……と。」
「……で、命乞いしているのか?まぁ、顔が割れていない奴が出に入るのは良いことだな。取り敢えず説得できる奴を何人か持って来い。ワイバーンの姿の時の首部分の骨にヒビいれられたくないだろ?」
その言葉に二人は頷いた後、自分の部隊の者達を降伏させていた。ただ、元同僚が無邪気な双子に蹂躙されているのを見てなんとも言えなくなっていた。ただ、全員女子であることからグラノアはフイッとした態度を取っていた。そんな彼女はワイバーンを15匹程鹵獲していた。
「……さて、後はアイツ等の活躍を見ておくか……。最近、魔法にばかり手を入れていたが、問題無いか確認しておかないといけないしな。」
「少しはまともに闘える様になっているのかも心配ですしね……。ところでバルボアさん?あの2人は何故私を見て目をキラキラと?」
「……ほっとけ。どうせ俺がようやく対等な女性を見つけたと思ってるんだろ。」
「それは心外ですね……。」
2人はそう言いながらドラッヘナー姉妹を見る。2人はワイヤーでも使っているかのような空中起動力を見せつつ、ワイバーンごと兵士達を次々と殺していた。その顔には罪悪感は無い。ただ、殺した人間以外への被害が無いように調整しているのが見える。
「……オマエ等もアイツ等レベルにはなっているんだろうな?」
「「いやあれは流石に出来ません!」」
「あの双子とは違った意味で息ピッタリだよなオマエ等は……。まぁ、実力差が分かっているだけマシだな。オマエ等は昔、実力の差を気にせず突っ込んでいく事が多かったわけだし。」
そう言われて2人は「「うっ」」と目を逸らしていた。恐らく、つい最近まではそれが出来ていなかったのだろう。地上でその様なやりとりが行われている中、訓練組は必死にワイバーンに騎乗する騎士達と闘うのであった。