モンストロ帝国の戦争準備-4
「ちゅーわけで、今回攻めてくるとファイズが予想した騎士団からワイバーンをサクッと奪うことが今回の目標やな。取り敢えず20匹ほどはノアっちとボアっちで確保するけん残りは頼むわ。」
「……なるべく使えるワイバーンを取りに行っておくか……。ファイズ、その辺りは計算できるか?」
『もちろん可能ですよ。』
「……ならサッサと準備するか。ワイバーンの喰う物や住む場所は確保できるしな。弱いワイバーンは潰すことになるが問題ないだろ?」
『えぇ、問題ありません。しつけや交流が別々だったからか実力差のある家族やカップルはいませんので。』
モンストロ帝国に攻め込まれようとしている新ゲーテンベルト王国では既に迎撃準備が始まっていた。だが、真面目に参加しているのはワイバーンを確保する係のバルボアとグラノア、強制的に実践として連れ出された大橋、瑪瑙、エスト、ドラッヘナー姉妹である。
『家畜用のワイバーンは美味となっていますが、戦闘用のワイバーンは基本的にある程度の筋肉を付ける為に不味い穀物を大量に食べています。故にゲロまずと呼ばれているので確保しなくても結構です。』
「……なんかプロティンみたいなイメージねそれ……。」
「まぁ、戦闘用の動物なんて余程の奇跡が起こらぬ限り不味いままだからな……。」
エストはそう言った直後に魔力の調整に入る。ちなみに今回の戦闘に参加しないマツリカは打ち切り漫画セットを読んで暇を潰しており、グドリャーフカはアプリ開始から数年は完全無料だったが給料未払いが目立ち始め、1日1話のチケットまたは長いCMを見ることで読めるという、新参者に厳しくなった物で書籍化した物を読んでいた。
グドリャーフカ曰く、単行本化してない長寿作品が多くて残念だと話している。実際打ち切りにもならず、単行本化もしないまま完結作品の枠に入れられている作品や、一応続いている作品はあるのだろう。しかし昔は無料で見れていた物が簡単に読み返せなくなるのは嫌なのだろう。
「……それにしても、この国は何でここまで攻められるのよ……。」
「そりゃここが元々攻められん屈強な国だったからじゃの。今なら個が強い者しかいないと思って数で押し切ろうと考えておるだけじゃよ。一応この国の国民達はそれなりに強い奴等はおったがの。儂等に瞬殺されるレベルじゃったが。」
マツリカはそう言いながら最終的にパン作り勝負でアニメ版ではスッキリと終わっていたが、漫画版では格闘漫画にシフトチェンジして終了した漫画を読み終えてから、また別の漫画を手に取っていた。参加しない物は気楽に過ごしていたが、いざという時助けてくれるのか?と不安になりながら大橋、瑪瑙、エストは改めて準備を再開するのであった。