モンストロ帝国の戦争準備-2
第1王子 キューラリー 8位
・結婚時の悪評が広がり、その後に残した功績は第6王女により隠蔽された結果、王位継承権は上がっていない。スラムの解消や騎士団の育成などをしている為、功績を知る者達からの信頼は厚い
第2王子 キュローラル 1位
・才能がある為第1位となった次期国王。王位継承権の争いの後始末を主に行う事が多く、問題は他国を巻き込むなと願っている。胃がキリキリと痛む事が多く、満面の笑みを見た者は彼が1位になってからはいない。
第3王子&第4王子 2位+3位
・特に特徴は無い。国を取った騎士団の帰国を待ち伏せして堕とすことで功績を横取りしようと企んでいる。
第1王女 6位
・第1王子の功績を隠して王位継承権の争いを制そうとする王妃にそっくりな女性。第1王子が停戦協定をしている国に第1王子の騎士団のフリをして戦を仕掛けて評判を落とそうとする外道。
以上が前話で出てきた者達の簡単なまとめである。王位継承権を争っている割には第1位に手を出していないのは、彼を堕とすのが最も体力や気力が必要だからである。もし彼から1位を奪っても他の者達が漁夫の利感覚で奪ってしまうかも知れない。そんな事を全員が考えた結果、こうして2位以下での激戦が続いているのである。
「………で、なんやかんや合って私達は身勝手で手薄にされた領地の為に自分達の兵を派遣し、そしてそれで薄くなった自分達の領地に向けて敵国から牽制され緊張状態が続く……と?巫山戯んな!ようやくまともに暮らせる目処が経った所でこれか!やはり王位継承権持ってるだけの輩に騎士団の管理と命令権渡すなって何度も言ってたよなぁ第2王子!」
そんな王位継承権の争いに巻き込まれているのは転生者であるボロッカである。彼は宮廷魔道士であり国境に近い領地を持っている。彼の領地から遠く離れた第1王子は攻めに行く騎士団の人数を少なめにし、領地は守ることにしている。その上で隣国には停戦協定を結ぶ等の体勢を取っている。その為守備は全く薄くなっていない。
それに比べて第2・3王子と第1王女は全騎士団員を陰謀の為に送りだした。その為、一応戦争している隣国と休戦協定もしないまま守備を0にしたのだ。そのツケが領地が近い彼に回ってきた事で彼は敵軍の将軍とにらみ合いを続けながら叫ぶのだった。
「……異世界でテキトーな領地で人員育てて将来安泰好きなことしながらスローライフの夢はバカな奴等に邪魔されるのがテンプレなのホントどうにかして欲しい……。」
彼は前世でも部下の不始末を片付けていた事を思い出してやや泣きそうになりつつもしっかりと睨みを効かせて国を守るのであった。