大橋の成果に対する考察-3
これは実際に闘った兵士達の話である。
「一番最初に氷の矢で将軍が殺された時、俺達は茫然としていた。実際、俺達は将軍が死ぬはずは無いと考えていたからだ。……実際、将軍が殺されかければ、俺達は全員盾になって逃がす……それくらい、慕っていたし、尊敬していたんだよ。」
「だが、あの氷の槍1本で殺されて混乱した中であの3人が跳びだしてきた。ただ、どう見ても彼女達が氷の矢を撃った奴じゃ無いことは明らかだったからな……。俺達は退却しようと考えたのさ。」
「将軍がまともに指揮をしていればあの3人を捕らえるくらいはできただろうけどな……。ただ、将軍が開幕早々死ぬことは想定外過ぎる出来事だった。万が一将軍が死んだ時に指揮を取るはずの者も混乱していたから当然、俺達はどう行動すべきか判断するのに時間が掛かった訳だ。」
まぁ、指揮官を無くす事は戦に置いてはかなり不味い事なのだろう。個対全軍とか将軍対将軍の様な形の戦争しか経験していない私にもこの状況になればまともに動けないだろう。
「……ただ、大橋と呼ばれていた少女は……自分が死なない事を目的としているのが分かったな……。戦場で個が量に勝てない理由として乱戦による予想外の攻撃という物があるからだな。個対個ならあまり気にしなくて良い所を彼女は警戒しすぎていた。まぁ、一撃で脳振盪を起こしそうになるレベルの力はあったが……個対個なら時間は掛かるが勝てる様な力量だったな……。」
「瑪瑙って奴は攻撃を避ける事やなんかは優秀だったな……。取捨選択が上手いしいざという時には魔力の障壁でガードしていた。ただその障壁の応用力は低かったな……。あれだと剣を防いだ後も相手の体形が崩れにくいからな……。」
「エストって奴は接近すれば攻撃はワンパターンだったな。まぁ、無闇に近付く事が出来ない様にしてはいたが……魔法に関しては下手したら死人が出ていたと思うぞ?威力だけなら……ただ、乱戦向けでは無いな。」
そんな感想が情報の代わりにカレーを振る舞った兵士達からの情報である。ちなみに兵士達は魔力を扱う事がそこまで上手くない為、自分の魔力で障壁を作ったりはしていなかったそうだ。
「……まぁ、それが無かったからこそ勝てたんだろうな……。」
簡単に言えばゲーム序盤で強豪校と当たるが新システムを使い相手を倒したという弱小チームが主役のゲームっぽいな……と思える。……ただ、彼女達が力を付けている間に私達も強くならねばならないと思いながら私は余ったカレーを取り合いジャンケンしている3人の兵士を見つめるのであった。