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療養の国 メルリス-2

「……まぁ、糞男と糞女……そして一部を除いた子供以外の一族の人間はこの世界で死んだというのは朗報ですね。それにそこの貴方から糞男のDNAが無くなっている事もまた……まぁ、クローンという訳でも無いのでどんな原理が働いているのかはまた後で考えましょう。」


ディーがそう言うとセバスは驚いていたが、まぁ〖王魂の林檎〗の欠片を食した後に炎として体外にまとめて排出した事を話しても普通は冗談としか捕らえられないだろう。そう思いながら私はディーの能力について色々と考察していた。


「……私がこの世界で生まれ持った能力はDNAを視認しデータを読み取る事でその人間の全てを知る感じだねぇ。まぁ、転生後もDNAデータが全く同じになるとは思ってなかったがね。」

「……それでテンレやアルを見た時に驚いていたのか。」

「まぁ、2人の治療を担当した事もあるからねぇ。馬鹿息子達が生命維持装置を外して殺した時には本気で怒鳴った覚えがあるよ。ただその後2人もなぜか引っ張られる様に苦しんで亡くなったけど……本人には自覚が無かったみたいだよ。」


そんなオカルトみたいな事を……と、オカルトよりも起こることが稀なファンタジーな現象に巻き込まれた私達が言えるはずも無かった。いや、ファンタジーというよりはバイオレンスと言えるレベルの転生方法だ。普通ならば過労死orトラック等に轢かれる……まぁ、珍しい物では通り魔等に殺されるという物だが……。流石に隕石は無いと思えてくる。


「……まぁ、テンレに後でその事については聞いてみるとして……ディーは写真などからも能力を使えるか?」

「写真では無理だね。少なくとも生きている状態で無いと行けないんだ。テレビ電話の様な物でならば読み取れる。言ってみれば遠隔操作で手術を行うような物さ。」


……なぜこんな事をディーに頼むのかと言えば、ディーのDNAを読み取る能力は私の【鑑帝】では読み取れない事も読み取ることができるのだ。まぁ、あくまで人間限定だが……ディーの力を使えばアベルやグドリャーフカの正体についても分かるだろう。ディーのDNAを判別する能力には魂の変化は関係なく、あくまで肉体的な物を読み取るのだから。


「……しかし患者の中で読み取れない奴もいたけど、あの子は何者なんだい?」


ディーがそう言うのは戸籍の存在しないまま捨て子となり、そのまま無戸籍のまま育ってきた黒姫の事だろう。……まぁ、下手するとグドリャーフカも似たような事になりそうだな……と考えながら、私は2人が思いで話に切り替えるのを止めずに傾聴するのだった。

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