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第1回 夕食争奪レース-2

本来このセットされたステージは1人が時間以内にゴールに辿り着くという目的で作られた物であり、決して大人数でゴールを競い合う物では無い。それを頭の中で分かっているはずの大橋や瑪瑙はボロボロになったセットを見ながら大の字に寝転んでいた。


「………珍しくアベルさんとバルボアさんがボロボロな所見れたけど…最下位は結局誰になったんだっけ?」

「……私ですよ。まぁ、不味い物飲んで気絶はしないでしょう。最初の頃に胃の中の物が何度も逆流してきたときよりはマシだと思います。アレって喉がヤケそうになる感覚もあって本当に嫌なんですよ……。」


瑪瑙と大橋はタッチの差で瑪瑙が最下位となっていた。ただ、自分達の成長に関しても驚いていた。……というのも妨害さえなければ余裕で熟せる程力がついていたからである。ただ、これがまだファーストステージ詰め合わせである事を2人は忘れていない。


「……流石にセカンドステージ詰め合わせはやらないと思うわ…。あれは最近のは殆どタイムアタックの様に見えてるから……。ファーストステージは一部を除くと落ちるか落ちないかの違いだけどセカンドは落ちない方が簡単なイメージあるわね……。」


2人でそう話していた時、大橋はある事に勘付き、ガバッと立ち上がった。それを見て瑪瑙も起き上がる。その直後、先程まで2人の頭があった場所にプリン用の小さなスプーンが2つずつ突き刺さった。それも持ち手が僅かしか見えなくなる程深く、2人は冷や汗を掻きながら後ろを振り向いた。


「……やっぱこのプリン、俺っちが食べるのが筋にあっちょらんか?ほら、今回は俺っちが1位な訳やし。」

「俺と同着だろーが。つまりこれは俺が貰う分だ!」

「……2人ともやめてください。そのプリンは私の秘蔵品です!元からお二人の物じゃありません!」


〖夏魅ホテルプリン〗という高級な雰囲気の漂うプリンが宙に打ち上げられては戻りを繰り返している状態を見た2人は何も言えなかった。一応加減はしているのだろうがアベルとバルボアにグラノアの3人の姿を全く認識できない。それほどまでに早く3人は動いていた。


「……あれ、力抜いてるわよね?」

『えぇ、マスター達は手加減をしています。そうでなければプリンはとっくに爆散しているでしょう。』

「……やっぱりそうなんですか……。」


最初の頃にはファイズの声に驚いていた2人だが、これまでの訓練等で声を掛けられたり色々とお世話になった結果、慣れていったのだ。もっとも今はあの3人がいつプリン争奪戦を終えるのかと渋々待つことにしたのであった。

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