道連れが欲しい-4
「……そんな訳で最後にお主に説明する時が来たようじゃな。まぁ、お主だからこそ1番長い説明になるんじゃが。」
マツリカはそう言いながら魔力を使いすぎて倒れた大橋を見ながら話を始めた。大橋はせめて自分がまともに話を聞けるような状態になってからにしてくれと思ったが黙っていた。下手をすれば容赦なく爆発させられると感じたからである。
「まず魔法という物は魔素を取り込み魔力とする事で魔力血路に存在できる様になる。で、お主は取り込みすぎていたにも関わらず魔力を扱ってこなかった結果、今の様にすぐに倒れるレベルの疲労感を感じるレベルなのじゃ。じゃが……アルミナは魔素をダイレクトに魔法として生成できておる。これならば疲労をあまり感じず、無尽蔵に魔法を使い、維持できる。」
「……魔素をダイレクトにって……それくらいできるんじゃ無いの?」
「馬鹿言え、できるとしてもそれはあまりに愚策じゃ。お主は自分の手のひらの上で炎や氷を出すというのか?魔素を魔素として取り込まないというのはそんな感じじゃ。」
魔素をダイレクトに魔法へと変化させる為には、今の大橋達が訓練している方法で行うと非常に危険であると同時に効率も悪い事を伝えていた。
「……まぁ、アルミナは【空間魔法】を得意とする事、お主の言うように魔力や魔法についての概念が儂等の様になっていなかった事、魔力血路に少しだけ不備があった事もあって魔素をダイレクトに魔法に替えられるんじゃ。」
「……つまり私達にはもう無理だと?」
「そうじゃな。疑似的な魔力血路が無いと魔法を使えなかったお主達じゃと到底使えんよ。まぁ、魔素をダイレクトに魔法に替えれば……下手したら死ぬし、覚えなくても良いじゃろうて。」
マツリカはそう言った後、爆破をイメージして実演して見せた。しかしどれだけやったとしても、爆破の位置がマツリカに近付いても物凄く小規模な爆発にしかならなかった。
「実際にやろうとしても幼き頃からセンスを磨かぬ限り魔素が魔法として結合する前に反応が起きる。じゃからこそ儂はこの方法を教えんのじゃ。まぁ、圧倒的に強さが違うわけじゃないしのぉ。」
ただ、マツリカはそう言いながら本来のやり方で軽い爆発を起こす。ただその爆音により大橋は恐怖心から疲労感を気にせずに立ち上がり、訓練の準備の構えを取った。その様子を苦笑しながら見ていたマツリカはそのまま休憩を切り上げる。
ただ、簡素に説明された挙げ句に休憩時間も早めに切り上げられた為大橋は涙目になりながら訓練を再開するのであった。