新ゲーテンベルド王国会議-3
「そういえばここの産業って何をする事にしているの?」
「偽善王の時代では色々とやっていたそうですよ。麦とか大豆とか……食に関しては輸入に頼る事にはならないでしょう。ここで駄目だったのは服飾関係ですね。ボタンとかならば普通に手に入りますが……布があまり無かったんですよ。」
だが、基本的に着回せても〖洗浄結晶〗がある為あまり問題を感じない。ただ、脱いでからアイテムボックスに入れてそれを取り出すという手順が必要なので予備の服もやはり必要なのだ。
「今の所まともな住民は俺っちだけやから何の問題も無いんやけど……綿花とかも一応作っとくべきやな。まぁ、輸入とかの交流も土人形達に持たせとく方がえぇやろうし。」
『了解ですマスター。早速改造人間を手配しようと想います。』
「……改造人間?」
「人工知能であるファイズの部下です。貴方方のガチャから出たキャラを改造して送りだしています。」
「なんでキャラがポンポン当たるのよ。それも短期間の内に。」
『乱数調整という概念です。』
その言葉に大橋はその手があったのかと思ってしまった。しかし彼女自信はガチャでキャラを当てた事が無い。その為、思わぬ落とし穴だが使い物にならない事を目の当たりにし、苦悩するのだった。
「……とゆーか作物を作って余ればどうするんだ?備蓄するにしても年々増えていくぞ。好き嫌いもあるし料理人の手もそこまで無いんだからよ。」
「そうなると無理矢理にでも料理人のカグラという人物を連れてくるべきでしたかね……。」
「あの若造相手ならば楽に取り上げられるじゃろうしな。しかしいない者は仕方ない。何か良い保存方法を知らんか?大橋 暦よ。」
マツリカがそう言うと大橋は小麦粉から作ることが出来る食品を次々と言い始めた。だがこれに関しては既に誰かが知っている情報ばかりだった事により意味を成さなかった。ただ、これにより交流は測れていた為か、アベルが急に話題を変えていた。
「……で、もしつるっち達と再度対峙した時やけど……其奴ら、ちゃんとコテンパンにできるんか?」
「やらないといけない時にはやれるわよ。少なくとも向こうは世間体的に私を殺す事はしてこないでしょうしね。小悪党レベルの奴等を殺しても何も言われないけど、私の様な普通の生徒を殺したとなれば面倒な事が起きそうだし。」
流石に裏切ってしまっている事を剣城達がチャットで話すわけが無いだろうと思いつつ、彼女は色々と聞いてくるアベル四天王のメンバーに困惑しながらも返答していくのであった。