新ゲーテンベルド最初の戦 補給戦-3
大橋 暦が剣城達を裏切る切っ掛けとなったのはファイズがハッキングを行い彼女のスマホにメールを送った事が原因である。なぜハッキングが出来るのか?と言えば剣城がマイルポイントで撮りだしているスマホは剣城の持つスマホと同等の機能を持っている。それ故にチャット機能で生徒達と異世界人が話す事も簡単になっている……と言うよりも鰻屋などでは積極的にチャットでのやり取りが行われていた。
それ故に大橋に直接メールを送ることなど、ファイズには朝飯前だった。ただ、最初のメールは文面が文面だった為、大橋はすぐに削除していた。まぁ、『裏切り者になる気は無いか?』の一言だけのメールではスパムメールと同じ扱いをされても仕方ないだろう。
だが、ファイズはその後テレビ電話に近い形でファイズと接触したのだ。まぁ、ファイズは本当ならばカグラも裏切り者として勧誘しようとしたが、彼女の人質となるべき人材を置いておくのが難しい場所にあった事、セバスという剣城を絶対に裏切らない人材と交際している事から大橋1人に狙いを絞ったのだ。
まぁ、人質を取ったというのも実際に訳では無い。ただ、人質の近くに自分の部下を配置しているだけなのだが、ファイズは大橋の性格上、人質となっている親友に連絡はしないだろうと踏んでいた。実際大橋はファイズに質問攻めするばかりで直接確認する事をしなかった。これはファイズがより大袈裟な形で人質の状況を伝えたからだろう。
オレオレ詐欺の様な形で不安を煽られた事や戦闘でも役立たずな事、自分達に付いてくれば強くなれるという事を囁かれた大橋はその誘いに乗ってしまったのだ。ここで問答無用で親友と連絡を取れば人質になんてなっていないという返事が返ってくるだけだっただろう。
ファイズは大橋の親友を拉致監禁したのでは無く、同じ国に部下を潜伏させているだけである。それにその部下の1人は信頼関係を保つという名目で友好的な関係を続けている他、新たに派遣された万が一の時に人質を人質らしく拉致監禁する用に待機させている部下はギャンブルに夢中となっている。
これ程までに和気藹々とした人質との関係を知らない大橋は裏切る事を決意した後、準備期間に色々な細工を執り行っていた。戦闘面では剣城達の中で最弱に近い彼女が出来たのは変身アイテムをいじる事や隠す事であった。
しかし最後の最後で主力メンバーの武器を隠す、破壊する事が出来なかった事に関してファイズは少しだけ残念そうに感じながら彼女をどう強くするべきかシュミレーションしながら襲撃当日を迎えたのであった。