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新ゲーテンベルド最初の戦 前哨戦-3

土人形が向かってきた先には不自然な位置にある神殿があった。いや、本当に不自然な場所だった。というのも本来使う筈の街道を塞ぐような形で建てられているのだ。これを見た私達は動揺したものの、これの中からゾロゾロと土人形らしき神官服を着た騎士達が出てきた事でゲームでいうリポップ地点に辿り着いた事を把握した。


「………しかし、これ程無駄な施設を作るもんがいるとはのぉ……。全く予想もしておらんかったわい。」

「私もだな、テンレ。ただ、ここを潰しておけばひとまず安心して撤退できるだろう。しかしここで裏切り者の存在がちらつくんだよな……。」


このメンバーの中には裏切り者はいないはずだ。黒姫とランタンは裏切るメリットが無く、アルミナも裏切ろうとしていたらすぐに察知できるほど単純な奴だ。ただ、テンレだけは裏切っているのかどうかが非常に分かり難い為連れてきたのだ。いや、裏切り者で無かったとしても裏切り者を容赦なく殺せる奴だとは思うのだけどな……。武器の都合上馬車への被害がとんでもない事になりそうなのでセバスの様な役割はさせない事にしたのだ。


「………取り敢えずここは破壊してしまおうか……。【アスベルトロイド】。」


私は久々に【殺戮帝】固有の神具を取り出していた。まぁ、【アスベルトロイド】は木の神であるエドワンブルが世界樹の根を潰そうとしていた岩を砕くために創り出した鎚であり、岩石をぶっ壊してしまうには丁度良い武器だった。


【アスベルトロイド】により呆気なく破壊された神殿は、あっという間に瓦礫の山と化していた。神殿から発生していた土人形達も活動を停止していた。しかし、私達は神殿が完全に壊された中……というか【殺戮帝】で繰り出した【アスベルトロイド】を受けてなお生存している人間がいる事を予想していなかった。


「久しぶりやね~、つるっち。さっきのは痛かったわ~、まぁたんこぶ程度ですんだんやけどな?しっかしいきなり俺っちと対峙するなんてまさに運が無いと思っとるやろ?」

「……そうだな。グドリャーフカが隣にいないのがまだ安心できるけどな……。」


瓦礫の中から軽い感じで現れたアベルを見て、私は嫌な予感が当たる訳だと思っていた。ただ、全員で強行突破をする選択を取らなくて良かったと思える。………そう思っているとアベルはクロスボウをこちらに向けた後、軽く引き金を引いた。あまりにも自然に撃った為に反応が送れたが、私は【殺戮帝】から【獄炎帝】へと姿を変えて氷の弾丸を破壊しようと拳に炎を纏わせた。


しかし、弾丸は私の拳を4つに分裂する事で避けた後………残りの4人の体を掠めて消滅していったのであった。……だが、この場合は私が抵抗せずに受けていた方が良かったのでは?と後悔する様な光景が私の目の前で起きてしまったのだった。

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