新ゲーテンベルド最初の戦 前哨戦-1
『………すみません、正体を掴むことが出来ずにフルボッコにされました。』
そんなピュアブルーライトの言葉を聞いた私は所々ドットが欠けているネチケットハピピュアの5人の姿を確認する。一応修正プログラムを入れる事で無事に回復したものの、かなり落ち込んでいた。ただ、こんな事になった理由については数日前に遡らなければならないだろう。
数日前、ゲーテンベルド王国の街道と看板が立て掛けられている場所を通った際、スマホの電波が少しだけ乱れた事からネチケットハピピュアの5人が調査へと向かっていったのだ。これまでスマホの電波が乱れる様な事は無かった為、転生者か私がスマホを数台渡してしまっているアベルかガンダレスが近くにいるのか?と思っていた。
その為調査をして電波の乱れを抑えてくれればと思いながらネチケットハピピュア達を送り出したのだ。だが、結果は先程の会話の通り、情報を得る事はおろか敵の撃破すら出来ずになんとか逃げ帰ってきたという事だ。まぁ、ここで消滅させられなかっただけマシだとは思われる。
『………ただ、完全に遊ばれてましたね。最初に強さをスキャンされていたので私達の強さに合わせてきた……って感じです。本気なら逃げ切れていませんからね……。下手したら偽物を連れてこられたかもしれません。』
「そういうお前達は本物だから良かったんだが……これから向かおうとしている国は色々とヤバい空気がするな……。」
少なくともコイツ等はオールスター仕様でこの世界に来ている事から別に弱いわけでは無い。むしろ強い部類である……が、そんな彼女達が手も足も出ないレベルの相手がいるのか……と思っていた次の瞬間、セバスと黒姫、ランタンが馬車の外に飛び出していた。
なぜ外に飛び出たのか?と思いながら様子を見ようとするとテンレに伏せろ!と言われた為私はその通りに頭を守るように伏せた。すると次の瞬間に爆発音が馬車の外で響いた。ただ、外に飛び出した3人は無傷であった為何があったのかを聞く。
「………この街道にセンサー式の爆弾が仕掛けられておりましたので遠くに蹴飛ばして被害を防ぎました。……黒姫とランタンの2人は爆発物が他に無いかを調べております。……ただ、風景に溶け込み違和感の無い状態であった爆弾にも関わらず、簡単に処理できてかつ威力が小さいという事が気になってしまいます。」
「………確かにな……。ただ、こちらに何か近付いてくるのは確かだろう。……ただ、予言の中にあったいくつかの項目がドサッと出てきそうだ。」
一瞬ここから逃げる事も考えたが、それは察知できるくらいまで近付かれていたら悪手となってしまうだろうと思いながら私は迎え撃つ為の準備を始めるのだった。