番外編 改造人間小隊-2
ファイズの作る改造人間は剣城達が自作した変身ベルトとは全く違うシステムとなっていた。剣城達は鎧を召喚し瞬時に装着する事で変身していたが、ファイズの改造人間は体その物を変質させて変身する。その為改造人間となったキャラ達は唯一無二の存在と化していた。
ただ、この改造手術はキャラとしてガチャから出てきた物にしか行われていない。というのも改造人間にするための手術を受けられる人材は強すぎず、弱すぎないという事が条件となっているからである。
ベースとなる人間が弱すぎれば当然の様に手術に掛かる負荷で耐えきれなくなってしまい死亡する。運が良ければ自我を失った状態で未完成の体を酷使して闘う事が出来るのだが………絶命までに掛かる時間はさほど変わらないのだ。
ならばベースが強ければと思われるがあまり得策では無い。少なくとも生きているときに改造しても意味が無いのだ。というのもファイズの改造手術は基本的にファイズの戦闘モードよりも弱い者で無いと受けられないのである。もしもファイズの戦闘モードよりも強ければ改造手術で手を出す前に抵抗されてしまうのだ。鍛えられた体にメスが通らない様な物と考えると非常に分かりやすくなるくらい、抵抗されてしまうのだ。
ただ、ファイズはキャラ達が改造手術を拒まなかった事について疑問を感じていた。彼等はゲームの中で自分にとっての現実世界を歩んでいた。そんな彼等彼女等は召喚主である自分に必ず服従しなければならないというルールは無いのだ。
だが、キャラという者は基本的に召喚主に対する好感度が高く設定されている。ただこれはあくまで初対面時の時の反応にしか対応していないのだが……これはファイズが意図せず醸し出している一種のカリスマ性が関与しているのであった。
まぁ、キャラの中には好感度が逆にマイナスになっている者も存在する。これはいくつかの条件が揃わなければならない。実際剣城がガチャで出したキャラであるアリアマリンという人物は剣城が魔神と契約していた事で好感度がマイナスに働いたという実例がある。
『……マスターの敵は排除する必要がありますが……少し遊びすぎている者もいるようですね。改造人間とバレていない事は良いことなのですが。』
視察へと向かっている改造人間達は冒険者となって路銀を稼いでいた。ただギャンブルの町にいる改造人間は視察もしているが基本遊んでばかりな者が多かった。彼がたまに食べるジャンクフードをこちらにも持ってこれる様にと連絡すると彼はその店主とコンタクトを図るのであった。