番外編 改造人間小隊-1
あれから数ヶ月が経過し、ファイズの乱数調整をしているかの様なガチャ運も重なり、飯尾以外にも何名かキャラが当選していた。そしてその全員にファイズは改造手術を行っているのであった。彼等は主に一般人に紛れて情報収集を行ったり、若い芽を潰す様な事を行う事を名目に作られていた。
ただ、改造人間となった彼等は人間体と改造体の2つの姿を持つようになる。2つの姿を持ったキャラ達は多少の不自由さを感じながらも近隣の国々への視察を楽しんでいた。ただ、敵対すると判断された時にこの者達は容赦はしない事はファイズも承知しているのだった。
元々改造人間を倒すヒーローは実は敵の組織に改造手術を受けた者……つまり敵側の人間である事が殆どだった。今でも敵組織または敵側が持つ力を利用して変身するという様なイメージは受け継がれつつある。そんな知識を持っていたグドリャーフカはファイズに彼等彼女等を自分達と敵対させないようにと話すのだった。
そんなファイズはガチャ中毒にはならなかったが、乱数調整という概念からT〇Sの様な動きを実機でプレイできる様にと必死になるものの、改造人間となった者達のバックアップは積極的に行っていた。
最初の改造人間である飯尾は某ヒーローと同じようにバッタをベースにしようとしたが、より明確な攻撃手段を得る為にカマキリや蜘蛛、蟻等も組み込まれていた。その結果飯尾の改造体は虫の膜の様な体となっており、両腕から鎌を出せるようになっていた。ただ彼は最初の改造人間だからか何かに特化させるよりも色々な能力を集めた万能型となっている。
『しかしあれから立て続けに4人も出てくるとは想定外でしたね。このガチャの乱数は複雑ですが私にはいとも容易く出来るようになっていますね……。』
これに関してはガチャという能力を創り出した者が救済措置として特定のリズムでやればキャラが出やすくなるシステムを入れていたのである。まぁ、乱数調整などに拘らない者が多かったので気にする必要は無かったのだが。
ただ、改造人間達を別々の国へと視察に行かせた事によりファイズの世界はより広がっていた。ただ、1人だけ……これまで改造してきた中で最も遅く手に入れたキャラは天界で色々としていた2人の見張りである為か不満の声も出てくる。
だが、定期的にローテーションを組むと約束するとすぐに機嫌を戻していた。ただ、ファイズは悪である事を求めるアベルの敵をいつでも排除出来る体勢を整えるのであった。