表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
785/922

番外編 タラシ男は死後も面倒事を残す

結局はクルフホーラのやる気は十分だったものの、武器であるシレルヘイベンのやる気が起きなかった事によりタマに傷が付くことは無かった。双子に近い武器であるシャードラがこの場にいない事がそれに関係していた為である。


「……なんで動いてくれないの?」

「動くのめんどい。シャードラもいない。」

「……まぁ、恨みを晴らすときに働いてくれれば良いから良いけど。」

「シャードラとは闘わないから。その辺りは理解してて。私達2人は闘い合うために作られてないから。下手すると復讐相手と一緒に石になって封印される事になる。」


シレルヘイベンは眠たげな顔をした白い髪の幼い少女の様な姿でそう言った。その様子を途中から見ていたリザベスとマーブはなんとも言えない表情をしながら見つめていた。


「……リザベス、貴方は何か知りませんか?」


そんな2人がいる事に気付いたのか、クルフホーラはリザベスに質問していた。しかしリザベスはこの事を正直に言ってはいけないと思うと同時にクルフホーラがここに来た事が予想外だと感じていた。その為マーブに「一芝居付き合いなさい」と小声で囁いたのであった。


「アタイもよく分からないわ。アーチホインに持ち出されたラクマナを取り戻しに行ったんだけどフードを被った奴にここまで吹き飛ばされてね……。」

「あぁ、いきなりリザベスがひなたぼっこしてた私に向かって吹っ飛んできたのは驚きだったぜ。その時には既に傷だらけだったからな。」

「それでマーブが怒って喧嘩なったのよ。それでボロボロになっちゃってねぇ………。」


2人の芝居はクルフホーラに対しては有効的に機能していたが、シレルヘイベンは色々と矛盾を感じていた。だが、それを言おうとしないのはただ単純に「面倒だから」の一言で済ませる事が出来る。実際永遠の別れという訳では無いため、深く追う事で面倒事になるよりはここで黙認して楽をする事を優先させる事にしていた。


「吹き飛ぶ瞬間に転移の詠唱をしていたから大体の方向も分からないわ。」

「……そう。分かった。」


その後、クルフホーラはシレルヘイベンを武器の姿に戻した後、帰って行った。その様子を見たリザベスは自分の妹分であるゼゼフラント以外の女性も面倒な事になりそうだとため息をついていた。ただ、ここでリザベスが予想していなかったのはクルフホーラがリザベスと交友関係のありそうな天使を次々と襲撃するという問題を起こす事だ。


その事を知らない今、もう一度何か勝負するか?とマーブが申し出たのを聞いたリザベスは望むところと言い返して腕相撲を開始したのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ