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番外編 シェリシェルさんの苦悩-5

「んもぉ~、ラクマナ。連れ去られた時はちゃんとアタイを呼びなさいって言ったじゃない!」

「ゴメン、リザベス。」

「全く……アーチホインも嫌らしい事してくるけど、もう擁護出来ないわね。まぁ、妹分のラッヘンムルちゃんが惚れてるから本気で殴り殺してなかったのに………。」


物騒な事を呟いているのはボディビルダーの様な鍛え上げられた筋肉で引き締まった肉体を覆うように鎧を普段着のように装着した身体と髪1本も生えていないスキンヘッドの頭を持つ女性、リザベスであった。どこからどう見ても身体を鍛え上げたオネェな男性に見えるが、胸筋の中にある僅かな柔らかさから仮にも彼女が女性である事が分かる。


彼女はラクマナの持ち主であり、その肉体からは考えられぬ様な程繊細な動きで武器体のラクマナを使用する天使長である。彼女はラクマナを勝手に持ち出したアーチホインに関して前々から殴り潰して起きたいと考えているタイプの天使であった。


「あっ、シェリちゃんじゃない!久しぶりね~。貴方がアーチホインを滅してくれたのね~。」

「…は、はい。私が殺しました。アーチホインはサボる為の敷地を得るためとこちらの管理する土地に侵入しようとしていましたので制止した所……抵抗したので殺しました。」

「……まぁ、そういう事にしておくわ。で、本当の所はどうなの?」


リザベスはシェリシェルが始末書用に考えた事を見抜いた上でそう聞いていた。まぁ、リザベスは別にこの事でシェリシェルもといアランカルに責任を負わせようとしていなかった。ただ、アーチホインの死から起きる面倒事を極力少なくしようと画策するのだった。


「……でもシェリちゃんの所も大変ねぇ。異世界人に無限ダンジョンが10個もなんて。そりゃあアーチホインも来るはずよ。でも、ラクマナとシャードラちゃんが無限ダンジョンに行きたいと話していてより信憑性が増すようになるわね。武器持ち出しの罪が無くなるのは仕方ないかもしれないけど。」

「まぁ、私はより強くなっておかないといけませんけどね……。」


最終的にはシェリシェルが追っ手としてやってきたリザベスからラクマナを取り上げて追い返した事となった。これならば自然な形でラクマナを無限ダンジョンへと向かわせる事が出来る為だ。


「武器が無くなっても大丈夫よ。私は素手でも充分強いもの。まぁ、返り血は浴びないようにしておくけどね。」


リザベスがそう言うと、シェリシェルは「急いで強くならなければ……」と青い顔をするのだった。

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