番外編 シェリシェルさんの苦悩-4
「なら私も一緒に行きましょう。そうすれば問題は最小限に抑えられるでしょう?」
「余計に問題が広がるだけですからね!……でもまぁ、責任は全てアーチホインに被せる事が出来るから良いですけどね!小言言われる気がしてならないんですよ!」
「じゃあ問題ないじゃない。もうあの足臭タラシ男に使われたくないのよ!道具扱いされていた分楽だったけど!あの男汗腺全部足の裏にあるのかってくらい蒸れて臭いのよ!」
ラクマナと同行しようと提案したのはアーチホインの武器、聖蹴シャードラの人間体である。彼女は自由を知らない……というか余程の事が無い限り人間体になるどころか外の世界を見て回る事も出来ない可哀想な武器だった。アーチホインに嫌なことをされたという点でラマクナとすぐに仲良くなった結果、無限ダンジョンの攻略で憂さ晴らししたいと話すのであった。
「つーかタラシ男って……いや、あれでも顔は良いですからね……。」
「その顔以外にも性格でコロッと行く人も結構多かったのよ。中身はおばちゃんって事も多かったけどね……。ただ、貴方が躊躇いなく殺した事には驚いたわ。」
「いや、仕事増やしまくる迷惑な奴を生かしておく必要性ありますか?それに私は面食いではありませんし。」
ただ、面倒事の臭いがしたのでシャードラにリストを作って貰っていた。そして8人の内4人は若者には誰でも揺らぐというおばちゃん天使である事は分かったのだが……残りの4人が面倒な存在となっていた。
「………なんで天使長レベルの奴に惚れられてるんですかね?確かゼゼフラントは硬派の女性だった様な……。」
「予想できてなかったのね。まぁ、あの足臭男は都合の良いときに助けに入るタイプだから……。」
「それなら納得できますね。……とりあえずラクマナの持ち主の方に色々と話しておきますか……。少なくとも私達の統治する地域を荒らされるような真似はされたくありません。本音としては仕事をこれ以上増やしたくないんですよ。」
シェリシェルはそう叫んだ後、2人をどの無限ダンジョンへ連れていけば良いかと考え始める事にした。その間にラクマナとシャードラはなぜ無限ダンジョンを創り出したのかという事についてシェリシェルに聞いていた。それに対してシェリシェルは「ここは何も無くて変化が無いから」と話すのであった。
「とゆーかあの足臭男の天使の証も破壊したんでしょ?なら誰かが勘付いてここに来ると思うんだけど……。少なくともここなら闘いで荒れても問題ないからって全力で来そうなんだけど……。」
シャードラがそうフラグを建てた瞬間、ドゴォッ!と大きな音を立てながらとある天使が降臨したのだった。