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番外編 学園転移会議-3

転移の書類を作り上げたアランカルはササッと転移を終わらせた後、後始末は他の者達に任せたと言わんばかりにベッドへと入った。転移の為に厳かな儀式を行っていたならば転移させられる者達も納得できるだろうが、残念なことにアランカルはベッドにうつぶせで潜り込んだ後、書類にポンとスタンプを押しただけであった。


まぁ、これでもアランカルは大量の人間を異世界転移させる為に身体にある魔力の8割を使用しているので疲労は溜まるだろう。だが、転移した後に天の声として混乱を治めなかった結果、冷静でいられる者は少なかった。重傷者は出たものの、幸い死者は0であった。しかしこの状況を解決しなければならないと各高校で代表者を決め、その後今後の方針を決めるという会議が始まったのであった。



第1グループ 山岳地・盆地


「…私達は開拓や食材の生産や指導をメインに活動していきたいと思います。ただ、無限ダンジョンにも何名か参加させる事となりますね。」


最初にそう話したのは館深涼農業高校生徒代表の野村 千絵子だった。彼女は生徒会副会長を務めていたが、生徒会会長がパニックで使い物にならない事から代表に立候補した経緯を持っている。山に囲まれた盆地での生活がメインとなる事から、彼女達が開拓の中心になるのは分かりきった事の様だった。


「……なら人数が多い俺達は無限ダンジョンをメインに活動する。……ただ誓約で無限ダンジョンの中に泊まり込む事が不可能なのがキツいな……。まぁ、魔方陣系のスキルを習得すればショートカットが出来るらしいからな……。それで広く浅く探っていくつもりだ。」


大学、大学院も集まりマンモス校と言えるレベルの薪原大学の学長、巻原 昇は無限ダンジョンは自分達で攻略すると宣言していた。ただ、薪原大学は普通科とスポーツ学科という様な形であり、主に教師を輩出する大学の為、知識を持つ農業高校と漁業高校のメンバーの一部も参加して貰いたいと話していた。


「俺達は無限ダンジョンじゃなくこの周りを捜索してみる事にしようと計画している。山を越えれば海……とまではいかなくても湖くらいはある筈だ。そこで魚がいないかどうか確認しに行きたい。……パニックになっている最中に魔物に襲われなかった事を考えると望みは薄いけどな……。」


神奏印漁業高校の代表として来た水泳部部長の大河 鯵人はため息を付きながら話していた。彼は周りのメンバーが船造りを検討し始めた事から半ば無理矢理代表にされたのである。ただ、延永高校の代表である小田 菜々子は何も発言出来ず、周りもどう扱って良いかが分からないという状況が続いていた。


「………まぁ、延永高校の方々はオールラウンダーとして好きに散って貰いますか。」

「そ、その意見に賛成します。」


結局は2時間ほどの静寂に耐えきれなくなった野村が意見を出し、それに小田が賛成した事で第1グループの方針は極まったのであった。

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