番外編 学園転移会議-1
「なんというか、学園転生の舞台となった緯度にいる奴等が物凄い発展を見せているので俺達も学園単位で持ってこようと思います。もちろん、そこに留まる霊達も転生させる様にしたいと思いまーす。」
「いきなり何をいってるんですか。まぁ、確かにここは何も無いというか進歩がないというか…って場所ですけど……。天使長達が混乱するよ!ここは左遷先だからって寝てばかりだったのにって反乱起こされますよ!」
「五月蠅い五月蠅い!こちとら栄転の筈がおとぼけな堕神が書類間違えて本来左遷される筈だったシャグナリアを栄転させて私を左遷としたのが原因じゃ無いか!ここで暇を潰せなんて出来るか!もう何千年ボーッとしてると思ってるんだよぉぉぉ!ここダンジョンも魔王も魔物も殆ど発生しないから虚しいんだよぉぉぉぉ!」
学園転移を言い出したのは果ての地と呼ばれる緯度を統治する大天使長、アランカル。そしてその補佐をしているのがバンガレット、左遷される筈だったとアランカルが語るシャグナリアは剣城達がいる緯度を統治する大天使長の本名である。
「……言っておきますがシャグナリアも栄転する予定だったらしいです。ただ同時期にシャーレットという者を左遷させる話が出たんですが……栄転セットと左遷セットの組み合わせを間違えられたんでしょうね。それにシャーレットは堕天して魔王テッシャームと結婚して寿退社しましたからご存じ無かったでしょうけど。」
「……それマジ?」
「マジです。元々左遷の理由がテッシャームと度々会って身体を重ねていた事が原因ですからね……。まぁ、もう7110年前の話なので左遷で弱っていて情報収集を怠った貴方が知らなくて当然でしょうけど。」
その後バンガレットは「左遷の取り消しを申し込まなかった事から左遷先が気に入ったんだろうと判断されたのかもしれませんね」とアランカルのHPを削るような発言を繰り返していた。ただ、そのHPを回復する為とアランカルは転移させる学園の候補をその場に出していた。
ちなみにその学園は剣城達の世界とは少しズレており、まさにご都合主義とも言えるレベルで平和な世界なのである。まぁ、途中までの歴史がそっくりなのもまたご都合主義なパラレルワールドなのだろう。
「………候補といっても軽く10校もあるじゃないですか。これならどれか1つと選ばずに全部呼んだ方が良いと思いますよ?とゆーかもっと候補を増やしてください。これだけだと分割しても土地が収まり切りませんよ。どの高校も600人越えるか越えないかレベルじゃないですか。そんな少ない人数では開拓すら出来ずに死にますよ。」
「……分かったよ。候補から外した高校も対象にさせてもらう。それに付属校があればそれも転移の対象にしてしまおうかな。そうすれば転移の人数を増やせるし。……ただチート能力はステータスウィンドウ式にするしかないけど。」
「……いや、せめて異世界呼び出しソフトくらいはオプションで付けましょうよ。」
「暴動起こすかも知れないからね……。まぁ、取り敢えずリスト作ってから許可取らずに実行しようか。」
こうして前代未聞の50校同時異世界転移(付属校も巻きこむよ)作戦が開始されようとしていた。しかしそんな事を他の誰もが知ることは無かったという………。