天界の事情-5
「…………なんというか、その、ドンマイとしか言いようが無いな……。」
「仕方ないですよ、あのおちゃらけた大天使長ならこんな事ザラにありますって。むしろ誰もいない場所じゃ無いだけマシですよ!」
私達はそう言いながら大天使長が持っていた武器の1人、スナイパーライフルのエリアタールことエリを慰めていた。……なぜこうなってしまったのかについてはリバーシなどのやり方を指南している時にまで遡らなければならないだろう。
「もう1回!もう1回だけお願いします!」
「既にルールは覚えましたよね?それに別のゲームも教えて貰ったじゃ無いですか。それの筐体をいくつも提供されてるんですからさっさと帰りますよ。」
途中でテンレもやってきた事もありリバーシやトランプの他に将棋やチェス、囲碁に麻雀等を教えていたのだが……大天使は熟成肉にも食いついたのである。まぁ、単純にテンレがツマミとして持ってきただけなのだが、それをいくつか譲ってくれないかと賭けをしたのだ。勿論、テンレは乗り気では無かったので結果としては大天使が無駄に武器コレクションを振りまいて終わったのだ。
まぁ、その殆どはジーティーンと大天使が回収したのだが……乱暴に投げ渡していたという事もありエリだけは人間体となって私達に馴染んでしまい、忘れ去られたのである。そしてまた天界から来るまでにかなりの時間を要するとジーティーンから報告があった結果、エリはこの旅に同行する事となったのである。
ちなみにスナイパーライフルと言ったがどちらかというとスナイパーライフルを模した銃剣みたいな形になっている。一応スナイパーライフルの様に遠距離射撃はできるのだが……正直銃剣として扱った方が使いやすくなっているのであった。
「お情けでここに置いて貰い感謝する。……しかしわざとで無いのが腹ただしいんだよな……。」
「まぁ、偵察というかこちらにお供えしろとかという為の密偵として残した訳でも無いらしいしなぁ……。」
まぁ、それくらいなら最悪アルにでも頼めばいいのだから置いていくのは余計な手間なのだろう。ただ、エリは誰も使いたがらないというか、相性が良いメンバーがいなかった。かろうじて元暗殺者のランタンと黒姫には適性はあったものの、2人は近接戦闘タイプであり、狙撃はあまりしない。それに狙撃に関しても自分用の銃を既に持っているしなぁ……。
まぁ、そんな訳でハピピュア達の戦闘訓練を受けるメンバーが1人追加されたという事となった。……流石に次に降臨できる様になったらすぐに迎えに来るだろうが……と考えながら私達は新たな旅のメンバーを歓迎するのであった。