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暇つぶしシンドローム Ⅰ -1

「とゆーか最近暇なんだけど、まだ次の国には着かないのね……」

「まぁな。まだ大橋が話し相手だからどうにかなっているがな。慣れてるメンバーだと逆に同じ話題になるからな……。」


私がそう言うと黒姫がいつの間にやら背後にいた。そして彼女は「こんな〇〇は嫌だ」的な物でストーリーを作ってみないかと話してきたのである。……まぁ、暇つぶしにもなるしこの世界に来る前の事も思い出せるから良いことだろうしな……。


「……じゃあ私の作った奴からだな。まぁ、あまりクォリティは高くないから期待するなよ?」


こんな某リフォーム番組は嫌だ 作 黒華鉄 剣城


こちら、銀行から歩いて2分、駅から歩いて5分の良い立地だったのにも関わらず、不便な空間ばかりで4人家族ではとても暮らせなかったこの家が………なんという事でしょう。古い外観は取っ払われ、清々しい空間へと早変わり。もう銀行前の幽霊屋敷だなんて言わせません。


「結構普通に始まったわね……。」


お爺さんと依頼者夫婦、その息子が豊かに暮らす筈だった家は…。


「……あれ?こんな始まり方では無かったような……。」


何という事でしょう。我々撮影スタッフも巻きこまれた銀行強盗の立てこもり物件となってしまったではありませんか。銀行前にあった広々とした、食料もある立派なお屋敷……そう思った強盗犯4人組は私達に拳銃やライフルを突きつけ、そのまま物件を乗っ取ってしまったではありませんか。


「いやなんでそこでいきなりの超展開をいれてくるのよ!」

「ここまで吹っ飛んだストーリーとは思わなかった。」


4人仲良くはしゃぎ合う筈だったリビングは、拳銃やライフル、果てには自爆用のダイナマイトまで用意されており、和やかな雰囲気は一切残されず、緊迫した空気が依頼人達に忍び寄ります。


「とゆーか立てこもった所で食料は……ありそうよね~。多分デモ用にいくつか仕入れてるでしょ。」


小学生の息子は、トイレを口実にボットントイレから脱出して助けを呼ぼうとしましたが………なんという事でしょう。昔、お爺さんの奥さんだったお婆さんがいじめっ子だったお爺さんの妹を殺して流し捨てたボットントイレの後は綺麗さっぱり埋め立てられ、現代人には欠かせないウォシュレット付きの洋式便座となっているではありませんか。これには依頼人夫婦の息子、阿酒理あしゅり君も絶望しています。


「なんで!お婆さんの!悪行暴露!?それと!息子の名前がかんっぜんにキラキラネーム!!」

「せめて死体を捨てるならもう少し分かり難いところや意外性を求めないと無理だと思いますよ……。」


まぁ、一旦ここでCMという感じでまた何か別の物をオークションに出して反応を見てから続きを見せるのであった。

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