この世界の脅威について-2
これはアスラ戦の時に呪いというか誓約というか……そんな感じの物で行動を制限された時に絶体絶命になった時の事も言える。大橋が言う私が無双しているという風景は基本的に私が一方的に攻撃している事から来ているのだろう。
だが、この世界に来てからの私の戦闘スタイルは攻撃力に特化しすぎていて代わりに防御関連があまり出来ない状態になっている。その為一撃食らえば相手が強ければ普通に即死してしまうだろう。まぁ、最悪の場合は私も大橋達の様な鎧を身につければ良いだけの話なのだが。
実際ガチャでどうにかなるというのでなんとも言えないが、スキルを無視する様な攻撃を使ってくる者は多くなってくる筈だ。いや、【王魂の林檎】の欠片を飲み込んだ私にもそれなりの回復力は身についただろうが、まだ隙が出来てしまう身体だ。
「……ただ、この世界に来て【殺戮魔法】が無かったら……ガンダレスと遭遇した時に既に死んでたな。いや、これは本当にそうだ。」
実際あの馬鹿な天使達やら糞ババアとかは【殺戮魔法】が無くとも完封する事は可能だろう。……ただ、ガンダレスだけは駄目だ。接近しようとした時点で負ける奴に遠距離攻撃無しでどう闘えと言うんだという事だ。……何か忘れてるんじゃ無いかって?いやいやそんな事は無い。あの時だって冷静に闘っていれば勝っていたんだよ、きっと……。
「つーか大橋、お前もこの世界に来てからそこまで危険な目に遭ってねぇじゃねーか。最終的にはヘルムライダーについて延々と話されるだけで終わったんだろ?」
「……そ、そうね……。」
実際大橋の方は私達に同行している為か危険な目に遭うことはあれどあまり被害を受けることは無かった。まぁ、これまでの経緯を書くとこんな感じだろう。
1.廃教会へと転生させられる
2.騎士団に連れられ別の国へ。
3.騎士団に入団後訓練する。
4.親友を追って供に私のいた所へ。
5.私に罵声を浴びせた後、反省した事を確認。
6.親友から親子水入らずで暮らしたいからと同居を拒否される。
7.そんなこんなで私の旅に同行。
8.将軍と闘うがアッサリと負け、同行していたアルが奮戦。だが敗北してしまう。
9.ヘルムライダーの話を延々と聞かされる。
10.そして現在に至る。
「途中悪意たっぷりに書いているけどさぁ………まぁ、最初は誤解してたわね。それまで殺した方が悪者だとずっと思ってたもの。」
「まぁ外面は良かったからな……美華の野郎は。まぁ、美華関連の転生者にもう会うことが無いのが救いだな。」
いや、戦力的な問題で無く、精神的に面倒な事にならないという事が救いなのだ。アイツ等は自分の身分を一から自分で築き上げたと勘違いしている様な感じだったからな……。実際には黒華鉄家の権利を病床の母が亡くなった事で権利が主張しやすくなっただけなのだから一からでは無かったのは間違いないんだがなぁ……と思ってしまうのだった。