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アリアマリン・J・ロマリア-1

「大天使の加護を得し主よ、フルグジート聖騎士団長、アリアマリン・J・ロマリア………………ここに参上致しました。」

「いや、本来の主はアイツだと思うんだが…………俺も大天使の加護じゃ無くて契約印貰っただけだし…………」

「いえ、少なくとも我が主にふさわしいのは彼では無くお二方であります故……………勝手ながら、契約する人間を別の者としてしまいました。」


…………………まぁ、別に問題は無いんだけどね……………。召喚にはコストが必要だがこのガチャのシステム上、全てのキャラが必ず私に従順な性格のまま召喚されるわけでは無いのだから。……………一応この世界はゲームでは無く現実だからなぁ……………主に文句を言ったり反論したりするだろう。


つーか、そうでなければキャラは個人では無くただのアイテムとなるだろう…………………と、私は彼女がアイテムを全て奪い去って逃げていくような奴では無いので、召喚コストは勿体無いが黒木と蔵鮫についていくという事を容認したのだった。


「にしても、このフルグジートの英雄まで呼び寄せるなんて、ガチャという能力を創り出したあの子の潜在能力は半端ないわね…………………。英雄と語られてきた彼女はまさに大天使の手足という位、私達の為に奮闘してくれましたから…………出てくる可能性は最も高かったですけどね。」

「…………やっぱりフルグジートはこの世界の名称だったのか………。いや、もしくは星の名前か?ここはどう考えても地球という名称じゃ無さそうだし。」


私がそう言うとペンドラゴンはニッコリと微笑みながら正解ですというようなジェスチャーをしたのだった。どうやら、私達のいる星はフルグジートというらしい………………凄くどうでも良さそうな情報かもしれないが、この世界での一般常識が増えたのは有難かった。


このやり取りをしている間、アリアマリンは黒木と蔵鮫の前で跪いているだけで、許しを得るまで顔を上げるつもりは無いという状態になっていた。この間に私が声をかけても無反応の為、私は黒木と蔵鮫に折れて貰う事にしたのだった。


「…………………………というわけで、黒木に蔵鮫。アリアマリンの事をよろしく頼む。彼女は私と歩む事は出来ないらしいから。」

「………………まぁ、これで少しだけ効率を上げて攻撃が出来るな………。蔵鮫の護衛を主にやってもらうか。よろしく頼むぞ、アリアマリン。」

「………………よろしくお願いします。主………………。」


そんな感じで無事、アリアマリンは黒木と蔵鮫の護衛となったのだった。…………………ちなみに、ランタンは地味に落ち込んでいた。なんでも、後輩が出来るかもしれないからわくわくしていたという事があるのだろうと思い、私はランタンを慰める様に頭を撫でるのだった。

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