魔神と大天使-4
どうやら大天使側であるペンドラゴンの方も黒木と蔵鮫に契約印を授け終えたらしい。……………………ただ、ペンドラゴンの出す報酬には食料品が一切無いという事にはある意味ヒュドラ側で良かったなぁと思う私はやはり食い意地が張っていると感じてしまう。
「じゃあ私はガチャを引かせて貰おうかな。新しいキャラが出ても大丈夫な位のコストは増えたしね。」
「ガチャの力はあの子の得意分野だったけどね……………未だに不具合があって、狙った物が出せなかったり正式なスピンオフでも原作の方に偏っちゃうし…………。」
「……………まぁ、特に支障は無かったので問題は無いですけど…………。」
実際出現キャラが全員男から女に変わっただけだからね…………私のみに当てはまるパターンだけどもそこまで苦情を言うほどの物では無いかなぁ……………と思える。供に旅するには同性の方が気楽だったりするしね………………。
「ならあの子も報われるわね………………でも、そのガチャの力は私達の上司のさらに上にある様な力になっちゃってるから…………。その『文殊の壺』や貴方が持っている『奇跡の雫』などがその例よ。下手したら神殺しのアイテムでも出てくるじゃないかしら?」
「……………………どれだけこのガチャの潜在能力高いんですか?」
まぁ、潜在能力が高くなければ逆にこのガチャに関してのスキルは逆にお荷物になるだろう。他のラノベで見かけるようなスキルによるガチャもチートアイテムが何個か出てくる事で初めて生き残る為の力が手に入るのだ。
その事を察しておらずペンドラゴンの言葉に驚愕している蔵鮫と、既に私と同じような結論に至っていたのか、特に動揺していない黒木を放っておいて私はさっさとガチャをしてしまおうとスマホを操作する。すると、気になるガチャを見つけたのでそれをフリックしてガチャを引いた。
『フルグジート英雄ガチャ』結果
ウルトラレア・ アリアマリン・J・ロマリア (キャラ)
まさかの一発でキャラが当たったのだが、ここで気になったのはフルグジートという地名だ。少なくともグラボーには存在せず、グラガルもグラボーと同じ大陸や国が舞台の為にフルグジートという地名はこのゲーム内のオリジナルでは無い………。
そう思っているとアリアマリンが顕現していた。彼女は女性が身につけるようなやや煌びやかな銀の鎧を身につけ、腰にはレイピアの様に細い剣と普通の太さの剣が帯刀されている。そして、男装の麗人と言われても可笑しくないような綺麗な容姿と金色のポニーテール………………それが彼女だった。
ただ、なぜか顕現したのは私の前では無く黒木と蔵鮫の前だったんだけどね………………………………。




