表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/922

魔神と大天使-2

「………………その憶測は正しいですね。あの人間達が恐れているのは魔物ですが、それは魔王を倒したからといってどうにかなる物ではありません。というか、魔王とは所轄が違いますから。」


大天使と呼ばれた方がそう言うのには何か訳があるのだろうと思いながら聞いてみると、確かに管轄違いだよな………と思うのだった。まぁ、勘違いというかイメージはそうなるんだけどね……。


「まず、魔王というのは魔人で構成された国を統括するというのが本来の役割です。魔物は魔人ではありませんから、魔人が飼っていたりしない限りは、魔王の命令などでは聞きませんよ。」

「つまり、魔王を倒すのでは無く人間が強くなれば良いだけだなって事で魔王討伐は阻止したいという訳だ。」


…………………………………なんだろう。大天使の方は筋が通っているが、魔神の方は顔を見ると下心みたいな物がある様に見えるなぁ………と思ってしまう。実際に顔も少し赤いな………と思っていると、蔵鮫がいち早く尋ねていた。


「魔王ってどんな人なんですか?そして、魔神さんは魔王さんの事をどう思っているんですか?」

「べ、べべべべべ別にアイツの事なんか…………って、何言わせるんだよ!!アイツは昔から綺麗で優しい奴で、領主としては申し分ないほどの実力で…………。」

「あ、こんな感じですね。ちなみにこの魔神の幼馴染で、お互い両想いなのにピュアな感じで色々と面倒なんですよ。秩序を守る者的な感覚で言えば、さっさとくっついて跡取りを作って貰いたいわけですよ。流石に立場上は魔神である二人を人間に殺される対象のままでいさせるわけにはいきませんから。」


そう言いながら大天使が渡してきた写真には髪が水色である事以外はラノベによく出てくるロングヘアのおっとり幼馴染の様な少女が映っていた。…………………いや、まぁこんな魔王を倒しに行く教師達と、送り出す王族の方が悪なのは明らかでは?と思ってしまう。


「…………………で、私達には国を滅ぼすという訳では無く、勇者となっている同郷の教師達を説得…………無理ならば抹殺という事で良いんですよね?」

「そうだな。後、この事は出来るだけ穏便に済ませて貰いたいが、もしバレたら頼んできたのはこの大天使という事にしておいてくれ。なんか恥ずかしいんだよ………………。」


そう言った魔神からは『俺が守っていたって事を知られると恥ずかしいからだまっておいてくれないか?』とか言うような感じで一巻目の中盤に『ホントはね、分かっていたんだよ。私に見えないところで君が私を守ってくれていた事』と言われるいう様なラノベの主人公的な空気を感じた私達は何も言わず、魔神の頼みを引き受けてみるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ