ピュアと付けば許されるレベルじゃ無い-4
「………群雲 丹波……。レトロな筐体を買い漁ってた……ここは天国になりそう。昔のゲームも遊べるから……。本当は筐体そのものが欲しいけど贅沢は言えない……。」
そう語った気怠げそうな少女は猫背になりながら「変身」と呟いた。その後魔導書を放り投げてからハピピュアの姿に変更した。ただ彼女の性格が180度変わっていた……これについては初期は現実逃避が多かったが後半になると好きな格ゲーの様な動きが出来るという事で喜んで変身していたらしい。
「矛盾の夢想は寵愛の証!ピュアマジシャン!」
猫背も矯正されているので正直このまま変身体で過ごしたらどうかと言いたくなる様な変化を見せている彼女は格ゲー筐体の方へと歩いてそのままゲームを始めていた。ちなみにプレイし始めた時にコントローラーが質量のあるホログラムで好きなように作れるのを知ってさらに興奮していた。
「あの子は本当にゲームが好きなんだねぇ……。あ、次は私の自己紹介だったね。私は乙部 宮子……薙刀と空手を嗜む者さ。」
そして彼女は魔導書を天に掲げてから開き変身した。………まぁ、全員違うポーズで変身しているがこれまでのパターンを考えると集合した状態で変身シーンをやるようにするとどこかで違和感が凄い事になると思えてくる。
「矛盾の手刀は情熱の証!ピュアメイジ!」
取り敢えずこれまでの4人の変身後のポーズが全て同じに見えるのは何故なのだろうか?いや、僅かに違うっちゃあ違うんだ。脚の向きとかその辺りは……。でもそうじゃ無いんだよ、そこに違いを求めているんじゃあ無いんだよと思いながら突っこみを我慢していた。
「で、人間枠で最後のハピピュアは私だな……。いや、最初にガンサークによってダークな感じにされていたんだけどな。いや~、あれはあれで楽しかったけどな………本物なのに偽物に替えてしまうガンサークの力って結構ヤバい代物だったぜ……。という事で私は新藤 叶だ。よろしく頼む。」
4話も引っ張った初代ガンサークでもある彼女はそう言いつつ変身していた。魔導書は両手で持ってから勢い良く片手でバァンと開くというワイルドなやり方だった。しかし問題はそこでは無い……そこでは無いのだ。
「偽装の拳は奇跡の証!ピュアダミー!」
その言葉を聞いた時、私は完全に突っこみ体勢になっていたと思う。というか普通に突っ込んでいた………なぜ統一しなかったのかと。ただそれだけを伝える為に私は大声で叫んでしまったのだった。いや、まぁハピピュアでは良くあるけれど初期メンバーの5人が統一されないって……とも感じるのだ。これに関しては製作者の方に文句が行くので関係ないかと思いながら私は残り2人の変身も見る事になるのだった………。