覇王剣リガータルス-2
「……取り敢えず所有者は呉実、次点の東のままで行くが……リガは武器の姿に戻さないようにしておこうと思う。天界で鍛えたり修理できるなら武器に戻る訓練もしておいた方が良いかもしれないが………どう思う?」
「天界では覇王剣を快く思っていない鍛冶屋の人も少なくありませんからね……。幸い、私を担当してくれた人は剣マニアと異名が付くくらい何でもやってくれますから問題ないでしょうが…まぁ、緊急修理が必要になるまではやめておきましょう。健全なまま彼女に渡ると解剖されますから。」
それを聞いたリガは呉実の背中で縮こまっていた。それをよしよしと慰める東とその様子を見守る呉実というなんとも言えない風景を見せられた後、リガからも発言があった。
「………本当にやってくれるのかのう?儂を創り出した者がどの様な者であっても。」
「むしろ歓迎しますよ………周りから畏怖されている鍛冶屋の剣を研究できる!とか言って飛びつきそうです。まぁ、彼女ならリガを頼もうとするとついでにテンレさんの持つ大太刀も持っていきそうですけどね……。」
「………【鑑帝】で見たら妖刀になってた奴か……。妖刀も研究対象になるのか?」
「なりますね………あの人なら。名前は鍛冶天使ヴァッケンローズと大層な名前なのでそんな事はしないと誤解されやすいですけどね。」
その名前を聞いて私以外のメンバーは誰それ?と首を傾げていたが【殺戮帝】関連でこの世界の神々についての知識が身についている私にとってはかなりの衝撃だった。というのも鍛冶天使ヴァッケンローズは………この世界に初めて異世界から来た転生者だからである。………まぁ、【メテオ・エンペラー事件】とは全く関係の無い人物なのだけどね………。
「でもヴァッケンローズは元々大天使様のお抱え鍛冶師ですからね……。なので下っ端に近い私は口利きできませんから全力で守ってあげてくださいね。私と違って変身ベルトがあるんですから。」
そういえばまだ調整する必要があるという事でアルには渡していなかった気がする。……というのも天界で身長やらが変わる可能性があったのだ。ただ彼女はメタリックな変身も良いけれどふわふわ~っとした変身もしたいと話していたので私はあるヘルムライダーの事を思い出していた。そんな訳で私はリガの分も合わせて変身用のアイテム製作を始めようかなと思ったのであった。
ちなみにアルが魔法少女的な変身を望んだ切っ掛けは【魔法少女乱闘】という格闘ゲームからである。……ちなみにこのゲームは着せ替え機能が充実している事から女児も格闘ゲームに参加し事案スレスレな形でオタクが女児に格闘ゲームとしての戦い方を教えるという事もあり社会現象にもなったらしい。……まぁ、その話は一旦置いておいて2人にどちらが良いかと変身案を見せる私なのだった。