ミンティーア王国-5
「……で、次に貴族の影響力ですが………先日一気に権力を無くした者達が多いらしいですね。貴族は基本的に麻薬を嫌うと宣言しているのに使っていたからという事で信用しなくなっている人も少なからずいる様な感じでした。」
どうやらダイトマン公爵領の事件はほんの数日経っただけでも影響を及ぼしていたらしい。ただ、国王達は揉み消す事はしない分誠実なのだろうと思えてくる。実際ビラとして配られていたあの事件の概要の中には私達の事以外は全て同じだった……というのは黒姫の催眠術と単純に兵士達が私達を認識していなかった事が関係しているだろうと思える。その関係でヘルマンセは今回の事件の褒賞として死刑を免れ、王女の婿になる事も認められたのだった。
「………貴族や国王達が誠実で助かったな……という感じだな。まぁ、下手すると私達をこの国に残そうとしてきそうだがな……。いや、多分そんな事もしないだろうけどな。」
「確かに爵位なんか貰うと厄介ですからね貰わないで良いならそれで構いませんよ中途半端な権力者になると業務を全て丸投げに出来ませんからねそれに加えて事件に巻きこまれた側ですからね私達はなので本当に良かったなって思いますね。」
ランタンがそう言うと妙に説得力があるな……と思いながら私達はミンティーア王国の事について色々と話していた。……その中には料理に関しての情報もある。………まぁ、まだ実食はしていないがあの砂糖だらけ塩だらけの国とは違う事が分かったので良かったと思えてくる。
「……ここでは基本的に香草焼きみたいな感じで肉や魚を食べるのが普通らしいですね。後ハーブティーとお茶菓子等もありますが……主食では無いです。薬草の中でもポーションに使えない物を処分するために色々と研究した結果色々な物が出来たと話していました。ちなみにこの情報も冒険者の方から聞きました。」
「それ位なら問題は無いな………。香草焼き以外でも普通に食べるんだろ?」
「そうですね。元々は薬草を無駄にしないという事を意識して作る料理ですから。ただ薬草以外の物も栽培し始めたので食文化はそれなりに進んでいるらしいですよ。」
薬草にも苦味でなく甘味が強い物がいくつか発見されているらしく、この国で栽培されているテンサイから作る砂糖と混ぜて使う事も少なく無いらしい。………ちなみに甘さは普通の砂糖と変わらないが、糖分の調整を薬草で出来るらしく糖尿病になる事が無いらしい。………それを聞いてその薬草をアッシルベンに輸出したらどうなるのかと考えてしまう私達なのだった。