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新生活の始まり-3

「皆さん、落ち着きましょう。まずは、ここがどこなのか、何があったのか、二組と三組の方々や他の教職員の方の安否を考えましょう!!」


この言葉は私の言葉では無い。三年一組の生徒会副会長の…………確か、クラリス・ネイクハイカー…………だったかな?綺麗げな金髪を腰まで伸ばした日本生まれ日本育ちの外国の財閥のご令嬢の言葉だ。その言葉を聞いた殆どの生徒達はアイドルがライブの初めのトークを終わらせた後のファンみたいになっていた。


……………………………ちなみに、この言葉が出てくるまでにどれくらいかかったと思います?スマホの1画面のアイコンにとどまらず、その右隣、さらにその右隣というどうでも良いアプリのアイコン全ての検証が終わるくらいですよ?


…………ちなみに、最初の画面の左隣…………最初の画面を右にフリックし続けて四回目の所にガチャなどのアイコンはあったのだが、1画面に16個、計48個のアプリを全て調べたのだ。…………ついでに言うと、私に必要そうなアプリは全て左隣にまとめられていた為、余計な時間を過ごしたなぁ………と思ってしまうのだった。


「副会長!!この『帝高校チャット』にこんなコメントが!!二組のと三組のも無事なようです!!ただ、安否の前に気になるコメントが!!」

「………………本当ですね。私達をこの世界に連れてきたことについての話し……………ですか…………。」


副会長に進言した二年生の誰かが言ったその話題については気になったので私はいらないアプリをアンインストールする作業に入るのを中断して、『帝高校チャット』のアプリを開く。するとそこには二つのチャットログが存在し、一つ目は『転生させちゃった。メンゴ!!』という項目、もう一つは『安否確認』という物だった。


とりあえず私は前者の項目をフリックしてこの世界に転生させられた事についての説明を見ることにした。すると、そこには自称神のお詫びやらなんやらの言葉が書かれていた。…………そこまで長い内容では無いのでここに書いておこうと思う。


『本来なら転生させるのは宮丘みやおか ひろむだけだったのだけど、転生の方法の関係で君達も巻き込んで殺してしまった。お詫びとして、記憶と体はそのままに彼と同じ世界に転生させてもらったよ。……………しかし、全員が望むチートなどの特殊能力は持たせられなかったから、彼の望んだ能力と似たような能力になっている。彼の望んだのは『生前にやっていたソーシャルゲームのガチャを利用したチート能力』だ。』


………………………つまり、私にはグラボーのシステムに似たガチャの能力が手に入るわけか………。そう思いながら読み進めていくと、もう少し続いていた。そこには、現在地についての事柄が書かれていたのだった。


『チート能力が受けられない人の方が多いかもしれないけれど、身体能力の内の頑丈さは少しだけ上げてあるので早死にする事は無いだろうと思う。それと、職員室の人達は勇者になるための城、一組の人達は廃教会、二組の人達は商人達の集まる広場、三組の人達は廃村に送らせて貰ったよ。一応距離としては近いから、気軽に会えると思うので、第二の人生を楽しく過ごしてね!!』


…………………………そういえば、スマホは持っているけどスマホのゲームなんてやった事が無いとか、ガチャの無いゲームばかりしている人とかが多そうな感じだもんなぁ…………と思いながら、私は廃教会の外に出るのだった。チート能力を持っているのを知られてたかられるのは耐えられないからなぁ………。


そう思いながら私は『帝高校チャット』のログの一つ、『能力持ってる奴らは俺達の世話をしろ!!』が立っているのを見ながらスマホをポケットにしまってから教会を離れて森の中へと向かうのだった。

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