新馬車の紹介-3
一応馬車は12両目までとなっている。最初は後方の車両を戦闘用に改造しようという案も出ていたが仕様上どうにもならないので却下された。その結果10両目が脱衣所、11両目は風呂(露天風)、12両目がサウナとなっていた。まぁ、宿に泊まらずとも入れるのは良いことだろう……というか余程高級な宿で無いとこちらの風呂で良いと思えてしまうほどの出来になっていた。
まずこの世界の宿だが安い宿だと部屋にあるのがベッドだけという程質素な物が多く、普通の宿でもテーブルがある程の簡素な物だ。そして私達の世界では標準装備である事が多かったユニットバスも無ければ集団浴場も存在しない。あるとすればそこそこ高級な宿だ。それでも20人程で一杯になりそうな程の浴槽しか無い。サウナなんて物は存在していないかのような扱いであり、エグランシーバやリューケ共和国の様な転生者がいる所くらいしか見かけない。
その為私達の馬車に装備された風呂とサウナは完全に宿の性能を上回っていた。いや、ガチャで【空間魔結晶】というチートアイテムを東が引いたので風呂の拡張がとんでもない事になっていた。前からそうだったが本来ならワンルームレベルの広さしか無い馬車の中が地平線が見えそうな程の広さとなっていた。……いや、空間拡張がまだなのでそう見えるだけで実際は野球場レベルの広さなのだけど……それだけでもチートアイテムなのである。
まぁ、そんな感じでガチャから【温泉岩】を量産した結果、様々な温泉が楽しめるという恐ろしい程のレジャー施設となった。……まぁ、この【温泉石】はハイパーレアレベルなのなが……中々の物だ。まずこのアイテムはガチャで50個単位で手に入ったアイテムである。大きい物で跳び箱4段くらいあるが見た目に反してかなり軽い物だ。
使い方も簡単で砕いたりしても構わないので温泉石で円を作るのだ。するとそこで温泉が完成する。ただ、深さ=円を作る【温泉岩】の中で最も大きい物と連動しているのだ。……ただ、この【温泉岩】に湯の名前を彫ると沸いてくる温泉がその名前の物と同じになる。ここで【温泉茸】を円を作った【温泉岩】に刺すと景色も楽しめるらしいが今回は持っていないので断念した。
その為ここに来れば日本の温泉を全て堪能できるのだ。……なら外国の物は?と思われるかもしれないが……名前を彫れないのだ。【温泉石】は名前の通り日本語である為に日本語の物しか受け付けない。なので私達は日本の温泉だけで満足する事にしたのだ。……いや、これだけでも充分チートであり贅沢なんだけどね……。