次の目的地へ
……あれからさらに2ヶ月が経過し、穴を塞ぐ事ができた他、アルが天界から戻って来たので私達はエグランシーバを出て次の国へと向かうことにした。ちなみにその国では薬草類が豊富な地域らしい。……まぁ、そんなファンタジーな事に興味ありげな2人も着いていきたいという熱が再来していたが、ランタンとの鬼ごっこに勝てればという条件を出すとすぐに諦めていた。
「……という訳で世話になったな。」
「まぁ、弟の孫だったり母様ともう一度会えたりと感謝はしきれない。また何かあれば立ち寄ってくれ。歓迎するぞ。」
「分かっているさ。……ただ、次の国の名前って本当にこれで合っているのか?」
私が扇城にそう尋ねてしまう次の国の名前はミンティーアである。確実に何かを狙ったいる気がしてならないが、扇城は心配ないとサムズアップした。……まぁ、呉実と東はヘルムライダーの装備を使えるようになっているから戦力的には問題ないが…その事について話そうとした訳じゃ無いんだよ……。
「まぁ、良いか。取り敢えず飯に関してはガチャもあるしどうにかなる。それの家庭菜園であのスキルも使えるのも分かったから米にも困らないしな……。」
あのスキルというのは植物から自分の思い浮かべた植物の種を作り出すスキルであり、これまでも使ってきたのだが性質を変えることでとんでもない植物も作り出せてしまった。簡単に言うと好きな時に好きなだけ米を取りだせる鉢植えに咲く花を馬車の中に常備したのだ。いやはや、既にいつ修得したかが朧気になるスキルだがかなり役に立つスキルだと感じた。
「……ただキャラバン作るのに奴隷達を呼ぶのは良いんですよ……。ただ、明日帰るって言ってるんだから完成直後にBBQしなくても良いじゃ無いですか!!」
「まぁまぁ……落ち着いて、アル。」
「落ち着いていられませんよ!私だって参加したかったのに最終調整やらスカウトやらで忙しかったんですよ!特にスカウトの方は振り切るのにかなり時間が掛かりました……。」
なんでもアルはそれなりに強い部類に入るレベルにまで上がっていたらしい。それに加えて強化されたのだからミーハーな天使達が戦力アップの為に欲しがるのも無理は無いだろう。しかし第3天使長の時の様な事は出来ない為必死に逃げたらしい。
「……まぁ、街道の途中でも構いませんのでBBQはまたやりましょう!お土産に焼き肉の時に定番なお酒を購入してきましたから。天界産のお酒はかなり美味しいですよ~。」
それを聞いて私達は天界の方にも興味が湧いたのだが色々な誓約の関係で暫くは話だけ聞くことにしたのだった。下手するとこの旅の本来の目的が達成できなくなりそうだしね……。