警察達のこれから-4
扇城を連れ戻して事情を説明した後、彼女は納得して業務へと戻る。だがその前にエバスに仮眠を取るように命じていったのだった。
「……しかし結婚式をやった後の売り上げが凄いことになっていたな……。ティアラとかは素人レベルだったんだがなぜかあっちの世界の奴等も羨ましがる目で見ていたし……。」
本来はヴェールだけという2人の予定に私は試作品として作ったティアラを見せると、いくつか衣装に合うか試した後、細かな調整をした物を使用する事となっていた。なんというか、ティアラはレンタルする程必要でも無いと話していたので無料で使えるのならばとそのまま着ける方針に切り替えていた。まぁ、記念写真くらいにしか残らないのだけどね……。
「……ただ、この試作品のティアラは他の国の女王に献上しても良いくらいだと思うぞ、剣城。いや、完成品はついさっき見たばかりなのだがな……。」
扇城がそう言ったアイテムは結婚式後に注文が殺到していた。まぁ、この国での結婚式に対する認識を変える様な衣装だった為、余計にティアラをいくつか用意しておく必要があったのだ。もっとも戦の後なので未だに結婚式を終えていない者はいなかったので使うとしてもだいぶ先になりそうなのは変わらない。
少なくともこの国では「この戦が終わったら俺……彼女に告白するんだor結婚するんだ!」という様な死亡フラグは建たない。戦として出て行く前に告白、結婚等を済ませておくのが常識に近くなっている。なので別の死亡フラグである「この戦が終わったら嫁さんの作る温かいスープが待っているぜ!」が乱立する状態となっているのである。
「……まぁ、警察達の生活基盤は整っているから私達が去っても問題は無いか……。」
「そうですねマスター。」
ランタンは意外にも警察達とは話が合うようで橋蔵部や窓辺とよく話したり武器の訓練に付き合っていたりしていた。ただ、暗殺者が元とはいえ警察と馴れ合って良いのかと不安にも思えるが大丈夫だろう。ちなみに橋蔵部のトリガーハッピーも徐々に軟化させていっているらしく指導者としてかなり有能だろうとは思う。なので実弾銃を持っていても暴走はしなくなっていた。
「…しかし、この世界に来てから転生者関連の知り合いが増えすぎているなぁ……。」
正直知り合わなくても問題なかった奴も数名いるのだがそれはそれ、これはこれで考えながら私は久々に漁村の鰻屋からひつまぶしを取り寄せて昼食にしようと考えた。すると食の気配を感じ取ったのか、いつの間にか警察メンバーが私の元へと集まってきているのだった。