警察達のこれから-2
私達の旅に着いていくと話した2人はさっそく準備を始めていた。その中には戦闘訓練も含まれており、東は嫌々ながらもそれに参加していていくのだった。その一方で娘が来ることが決定した祭と婚約者が来る事となった大矢を連れて私は彼等の新居を探す事となった。……なぜ私が着いていくのかと言えば、どちらか一方の意見だけで家を決めるのは駄目だという橋蔵部からの助言もあった事もある。
「………異世界とは言っても現代人が転生してきているから異世界っぽさよりも昭和っぽさの方を感じる造りになっている事が多いなぁ……。いや、中には今風の奴もあるけど。」
それに関しては転生者の殆どが昭和生まれ平成初期に亡くなったケースが多いので仕方ないだろう。それに素材も豊富だという訳では無いしなぁ……と思っていると2人の新居は決まったらしい。……ただ空き家を買うにしてもローンは組まないと無理だと言うと2人ともガチャの戦利品の中で使わない物をいくつか献上していきそのまま買取を終わらせたのだった。
「……しかし思ったよりも迷わなかったな、祭の娘と大矢の婚約者は……。普通ならもう少し迷うのがテンプレだと思ったんだが。」
まぁ、それだけ魅力のある住宅だったのだろうと思えてくる。ちなみにエグランシーバはリューミケル軍帝国の国民も受け入れたが住居の問題は起こっていない。これに関しては兵役で夫や息子が死んだというぐらいの被害しか無かった事が大きいのだろう。その為ローンの免除やら物資の支給の他、こちらの男性達を移住するという事となった為、エグランシーバの空き家は逆に増えていった訳だ。
「……新居が決まったなら戦闘訓練に向かってくれ。必要最低限の訓練は受けておかないとこの世界ならすぐに死ねるぞ。スキルに頼り切っても無理な時があるからな。」
実際に二回ほど死にかけた私が言うと祭と大矢は暗い顔をしたがすぐに元に戻り決意を固めていた。………ただ、祭の娘が連絡したのかは分からないが、鷹本の妹もこちらの世界に呼んで欲しいらしい。これはブラコンとかそんなのでは無く、兄の監視をしてキャバクラやカジノ等で破滅しないようにする……という名目で異世界に行きたいと話していた。………ちなみに鷹本の妹は祭の娘と同級生らしく、失踪の連絡を受けてもあまり動じて無かった祭の娘に話を聞いた事からこうなったらしい。
祭と大矢を戦闘訓練に置いてきたついでに休憩中だった鷹本にその話をすると彼はうげっとした声を出した後に苦笑いをするのだった。多分妹の目が無くなってキャバクラや飲み屋で好き勝手できると思ったのだろうが……残念だなと話すと鷹本は男らしくない男泣きを見せるのだった。