ソーシャルゲームとポリスメン-1
「スマホのゲームか……。確か娘に招待されて容量食っているゲームがいくつかあったな……。確か神劇のドラムートだったか……。」
「俺も似たような形でそれ入れてましたぜ。でも何か関係あるのか?」
祭と鷹本は神劇のドラムートというソーシャルゲームをダウンロードしていたらしく、そのままスマホを取りだして確認していた。するとそこには確かにガチャのアプリが提示されており、私達の時と違い写真などもそのまま残っていた。
「……ガチャっていうのはこの転生や転移の中でのチートアイテムだな。余程運が無いと何も出来ないが……当たればこの世界でもどうにか生きていけるレベルの物が出てくるな。」
「……なるほど、それで私達にもそうしろと言ってきたのですね。」
冠城は転移させる前に出した私の言葉の意味を理解したらしく、納得した表情になっていた。ただ、それを聞いてプルプル震えているのはガチャが無いと確信した者だろうと思えた。なのでそちらの方を見てみると、巡査部長である羽滝と橋蔵部が貧乏ゆすりも真っ青になる程震えていた。どうやら羽滝はガラケーでありゲームよりも別の物を優先していたのでゲームが入る容量が無かったという理由で入れてなかったらしく、羽滝は不幸な事に心機一転頑張るぞ!と無課金で続けてきていたソーシャルゲームをアンインストールしたばかりだったという。
「……こんな事になるならアンインストールしなきゃ良かった……。先立つものが拳銃だけって異世界だと何の役にも立たないよ…。」
「私は本物じゃ無いから余計にな。同じエアガンを持ってくるなら自前で色々持ってきたかった。」
橋蔵部は何やら物騒な事を言っているが……まぁ、他のメンバーがガチャ持ちなのが分かったのは良いことだ。生徒会メンバー達や学園長の方に送るつもりは無いが、取り敢えず私は祭達に呼びだしをして欲しい者がいるかを確認する。すると手を挙げたのは大矢と祭の2人だけだった。残りはもう少し考えたいらしい。
まぁ、結果だけ話すと大矢は婚約者と話したいという理由で呼び出しアプリを使い、婚約者と20分くらい話していた。その結果、今日の内に婚姻届を提出しておいた後、同棲していたマンションの売却やこちらへ移住する為の準備をしておくと話していた。まぁ、立つ鳥跡を濁さず的な感じにするのだろうと思う。まぁ、身につけておけばなんでも持ってこれる事は確認済みなので服やらの必要な物を貯金崩して買ってくるのだろうと思うのだった。
祭は当然娘を呼びだそうとしたのだが、この娘は色々と面倒な事になりそうだった。まず、この娘は今すぐにでもこちらに行きたいと話していたのだが、その為の準備もせずに行こうとしてたので流石に止めたのだ。まぁ、ネット小説でも事前準備が可能な異世界転移があるので納得して貰えて良かったと思う私達なのだった。