二ヶ月後の穴埋め作業-4
大橋と供に闘っていたアルもトレーニングを続けていたのだが、数日前に天使からの招集があり、少し面倒な事になっていた。というのも第3天使長から離れた後、ずっと自由にしていたのだからたまには良いだろうと天界にある鍛冶場で刀身を鍛え直されている。まぁ、記憶もそのままらしいので問題は無い。
「いや、戦闘の記憶だけ残すなんてそんな器用な事出来ませんし、強化する時点で記憶無くしていたら面倒ですよ?一々赤ん坊から育てるなんて私には出来ませんからね。」
これがアルを天界の方へと送っていった使いの天使の言葉である。まぁ、確かに強化するのに記憶を無くすなんて悪党がやる以外に考えられないだろう。ただ、これにはおっさんの背骨にずっといたという記憶が消えないという点でアルは悔しがっていたのだけどね……。黒姫の催眠術も無効にしてしまう記憶でもあるらしいし。
「とりあえず最大出力はこのままだな。効率を上げていく事を意識した方が良い。そうすれば自然と最大出力の限界値も上がっていくからな。」
「分かっているわよ。ただ、アルにも変身ベルト用意しておいた方が良いわよ。私とカグラがこの姿になるならアルが剣の姿になる事はかえって悪手になりそうだし。」
「最悪セバスに持たせる事にするが……考えておくよ。取り敢えずはライダー好きの奴に相談だな。まぁ、宝石関連のギミックしか作ってないんだけどな……。」
殆どは私では無くリューミケルの将軍だったハイネルが担当しているので出来ればそちらに向かって欲しいのだが……え?腐女子トークに耐性のあるアンタに中継して貰いたい?まぁ、そうなるか……とは思うが取り敢えず今後は自分で行けるように努力して貰いたい。私だってあそこには理由が無い限り立ち入りたくないのだから。
「しかし、この二ヶ月の間に色々ありすぎたな……このスマホの先でもだけど、それは大した事じゃねーしなぁ……。」
そう言いながら私は穴を埋める作業に戻る。まだまだ先は長いが、どうにかやっていけそうだなぁ……と思いながらある報告のメールを見る。そこにはラピが宇宙空間で月を見ることが出来たという報告だった。………どうやら先にロケットの方に展望台を付けるとういう事を実行したらしい。
「……まぁ、私もそろそろ先に進み……たいんだけどなぁ……。」
未だにここの穴埋め作業の為に足止めされているので出発できるのは当分先になりそうだなぁ……と思いながら私は暇つぶしにプレミアム11連ガチャを引いてみるのだった。