グドリャーフカ-4
「しかし全然終わる気配が無いな……。」
「そうですねぇ。一応蓄積されてない事は無いと確認はしていますが……深すぎますね。」
もう既に諦めた方が良いのでは無いかというくらい途方も無い作業を続けている私達は一旦休憩する事にした。一応穴に落ちないようにランプを置いているので事故が起こることは無いだろうと思えてくる。しかしこのまま放置しておくと行商やらに支障が出てしまうので出来るだけ早く済ませてしまいたいのが現状だろう。
「一応元リューミケル軍帝国の国民も穴埋めに参加していますが、軍人の殆どを失っていますので効率が飛躍的に上がる事は無いですね…。たまに肥料やら堆肥やらの材料を投下していますがね……。」
「あぁ、馬の糞等もか……一応【人工洗浄結晶】を放り投げているから栄養だけが残るようになるだろうな。」
流石に自分のウエストポーチに入れている物は提供する気にはならないが、土に栄養を送っておくのは良いことだと思えてくる。実際私達が立っている穴付近の土の色は栄養が吸い取られたような色をしているのだ。その為馬や牛の糞などをドバドバと入れても問題は無いだろうという事だ。流石に底が見えるようになったらやらないようにするらしいけどね……。
「ただそれ以前に貴方の猫耳と尻尾に関して色々と感じている人がいると思いますが、獣人でも無いのになんで付けているんですか?」
「下着の効果だよ。ったく他にまともな下着が無いから仕方なくこうしているんだよ。とゆーかなんでこの世界にはきわどい下着ばかりなんだよ。布が手に入らないってのは分かるけどさぁ…。」
グドリャーフカが指摘してきた猫耳と尻尾に関しては未だに私があの猫の下着を使っているからである。というのも国を回ってみても男性用の下着は全面カバー出来る物が多いくせに女性の下着は布面積が異常に小さい物ばかりだ。下手すると紐の方が布の面積を上回るのでは?と感じる程である。
「そうなんですか。」
「しかしこの世界にまともな下着が無いのに驚いているよ。行く先々でまともな形に会えないのもどうかしてるが、サイズもな……。獣の皮とかは使いにくいのは分かっているがこれはあんまりだろ……。」
まぁ、そんなくだらない事を話していると……後ろから恐ろしい気配がしたので振り返ってみる。するとそこにはいつもより冷たい表情をしたガンダレスがいた。そしてガンダレスは私に手を差し出しながらこう言うのだった。
「【奇跡の雫】を渡してくれないか?対価は払う。」
「……別に構わないが……何に使うんだ?」
下手すると殺してでも奪い取ると言いそうだったので私は【奇跡の雫】をウエストポーチから出してガンダレスに渡すのだった。