グドリャーフカ-2
【鑑定】でも分かっているのだがグドリャーフカの年齢は24歳でギリギリ転生者では無い事が分かっていた。まぁ、行く先々で転生者が見つかるので今回もそうだと思ってしまったのだろうと思えてくる。いや、一応将軍の一部は転生者だったのであながち間違ってはいないのだが。
「……それにしてもなぜミハナ家は誰も知らないからと威張る事が出来たのでしょうかね……?私には理解できませんよ。」
「同感だな。私もこの国以外で2人ほど殺しているが……雑魚の狼に首を噛まれて絶命するレベルなのに私に奴隷なれとか言っていた奴と鞭でかませを倒せただけなのに威張り散らす奴だったよ。」
「……それ、本当に人間ですか?私には猿以下の何かにしか思えないのですが。」
もっともな意見をありがとうと言いたくなる。まぁ、正直私もその血を半分は受け継いでいたという時期もあったので強くは言えないが今はその血は全て排除され純粋な黒華鉄家の血……というか母さんのクローンに近い血が流れている様な感じだと思える。
「まぁ、子沢山な財団は良いのですが何かしらの学が無ければ意味が無い。烏合の衆に家を維持する事など出来ませんからね……。」
まぁ、そうなのである。既に黒華鉄家時代の資産は底が見える程少なくなり、従業員や使用人の殆どは去って行く。下手すると従業員というか鉱山で働いていた者から労基に駆け込む者が出てさらに資産が潰される可能性もある。まぁ、ゆっくりと質素に暮らしていた黒華鉄家と派手派手しい生活の美華家では資産が減っていくペースは圧倒的に後者の方が速い。それに加え黒華鉄家は限りのある鉱石が主な商品なので余計駄目になってしまっているのだ。
「……なんというか前世の記憶があるって凄い事ですよねぇ……」
「いや私達の場合はそのままの状態での転生なんだけどな。」
それを聞いて困惑しているグドリャーフカを見て、普通はそうなるよな……と思ってしまう。なんせ駄神のせいで勇者ではない私達まで巨大隕石で殺された。まぁ、そのお詫びとして赤ん坊からの誕生では無く限りなく転移に近い転生という事になったのだ。
「……それはお気の毒に……。しかし隕石で死ぬとは……私も似たような者を知っておりますよ。名はガイゼと言う皇帝アスラの父親です。まぁ、その隕石を落としたのは私の父親なのですけどね。」
なんか色々と複雑そうな話になりそうだと思いながら私は【土魔法】で穴を塞ぎながらグドリャーフカの話す昔話を聞くのだった。