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ウクス渓谷-3

テンレも國丸も、最後に散っていた桜の花びらを斬りつけるに集中していた。それはお互いが最後はこれで決着を付けると意識したからである。それを認識していなければどちらかが死んでいただろう。


「……しかし、この戦には何か意味があるのかのぉ?正直そちらの国が攻めたとしても負けるのがオチじゃろうて。」

「そうだなぁ。だがウチの大将は何やら考えがあると話していたぜ。恐らく何かしらの秘策がある。将軍にすら聞かせない何かがなぁ。」


國丸はこちらの世界で歌舞伎をやる為という理由から金稼ぎの為に将軍となったという経緯がある。その為今回の戦に関しては特に思い入れが無い事、元々リューミケル軍帝国から出て行こうと考えていた事からこうして酒盛りをしているのである。


「しかしこの世界ではワインが主流なのには驚いたもんよ。こちとら日本酒しか受け付けてない訳なのになぁ。ビールはあの炭酸?が駄目で飲めんかったわい。」

「確かに米が中々手に入らない中で日本酒を求めるのは難しいと思うのぉ。」


テンレはそう言いながら酒をグビグビと飲んでいた。テンレの持っている日本酒はガチャで手に入れた物である。主に肉に合う酒以外は別の者に渡しているが、これだけは逆に譲らないという酒を國丸には飲ませていたのだ。


「ワイン以外の酒の匂いは久しぶりだねぇ。どれ一口………うん、これを越える酒は他に無い。やはり儂の口には日本酒が合うねぇ……。一応持ってきたワインがあるんだが交換しないかい?」

「料理出来るレベルのワインなら構わんのじゃ。」

「ならこれは大丈夫だろうさ。戦の前に金の代わりにと渡されたワインだ。ただ銘柄からして別の将軍がロマネ・コンティレベルのワインだと話していたが、全く分からんからなぁ。」


國丸はそう言いながらアイテムボックスである巾着の中からワインをいくつか取りだした。それを見てテンレも自分の腰に付けた巾着から色々と取り出す。その中にはBBQ用の鉄板などもあり、完全に闘いは終わり打ち上げという気分である事を証明していた。


「ワインはやはり肉を美味くする為に使うのが1番だな!」

「焼き肉か。魚介類は無いのか?」

「んなもん儂のアイテムボックスにいれてあると思うか?」

「そりゃ無いに違ぇねぇ!!」


こうして2人は鉄板で次々と肉を焼きながら食べ始めた。次々と置かれては食べ頃になった瞬間にどちらかの腹の中に消えていく。そんな感じで2人はお互いが満腹になるまで肉を食べ続けるのであった。

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