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イキシマ旧砦-3

それから1時間が経過した頃、ランルドロスの負けが決定した。……というのもランルドロスは【王魂の林檎】の欠片を食したには食したが、そこまで強化はされていない。王になれる器ではあったがハルバンシア軍帝国の王と同じように王の器としては小さかった。その結果がシューカの【明王雷光】の直撃を受けて倒れている姿である。


自慢のローブはボロボロになり一部は切り取られた様な穴が空いている。それに髪は爆発してアフロになっており、肌も焦げたように黒い。そして両腕両脚はあらぬ方向へと曲がっておりコヒューコヒューと、呼吸もままならない状態になったその姿はかつて村をいくつも滅ぼしてきた貫禄はどこにも無い。ギャグ漫画のオチとして雷を落とされた役みたいに滑稽な姿となっている。


「……なぜ、私がこんな目に……。私の才能は……こんな物では……無いのに……。」


実際、ランルドロスは殲滅戦と個人戦での成績で将軍になった様な人間である。なんせ彼が発明した魔法の内、殲滅に使う吹雪などはアルミナの【空間魔法】で回避できるし、攻撃力はシューカの魔法よりも遙かに劣る為、詠唱が同じ物であるという要素を含んで攻撃しても意味が無い。その結果、エグランシーバにいる獣人亜人から恐れられていたランルドロスはアッサリと負けてしまったのだ。


「だが、私はまだアイツ等を滅ぼしていない………滅ぼしてイナイ……滅ぼシテイナイ……ホロボシテイナイ………。ググ、ギャーッギャッギャッギャーッギャワーギャギャ!!」

「なんか暴走始めましたよ!シューカ、急いで攻撃を!【フラクタルスタンプ】!」

「分かりました!行って、【明王雷光】!!」


ランルドロスは獣人亜人を滅ぼしたいと何度も呟いた後、変な声を出すようになっていた。それで何かあると感じた2人はありったけの威力を乗せた魔法をランルドロスに向かって放つが、ランルドロスに傷1つ負わせられなかった。ただ、ランルドロスの体は段々と木の幹の様になり、一気に木の根の様な形へと変化する。そしてランルドロスだった物の背中?から巨大な木が育っていた。その木はとてもじゃないがおだやかな木という印象は無い。どうしようも無くおどろおどろしい雰囲気を纏った、黒い歯と獣の様な牙を持つ幹を持った意思ある木だった。


「ゲギャギャッ!!ゲギャッ、ゲギャーッ!!」


最もその中にランルドロスの意思は既に無い。なぜならその木の【鑑定】結果には【愚者の暴木ぐしゃのぼうぼく】と出ており、その説明の中にはランルドロスのラの字も無い。しかし2人はこれは切り落とさなければと思いながらこの木と対峙するのであった。

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