多種族の国エグランシーバ-1
エグランシーバという国は簡単に言うと人間以外の種族が多く存在する国となっていた。実際ラミアを保護したのもこの様な関係があるのだと思う。ただ今回の戦に彼等が呼ばれていないのは迫害派の国が相手だからなのだと思う。まぁ、諜報部隊はラミアなのだけどね……。
「ただ売り物の中にちょくちょく異世界っぽく無い物が含まれているんだよな……。それにパンも黒パンとかじゃないし……やっぱり転生者がいると違う物なのかねぇ……。」
そう思いながら歩いているとなぜだか見覚えのある男性を見かけた。いや、あれは他人の空似だと思いながら話しかけてみると、確かに別人だが予想外の人物だと判明したのだった。
『まさかこちらで生きていたとは思いませんでしたよ……。』
「老けやすいのは変わらんらしいがな……。セバスよ、お前も25でこの風貌になったのだろう?」
『いや、私は35の時です。元々銀髪だった爺様とは違いますから。』
彼はセバスの祖父であるエバスだった。ただ元々銀髪である事等からセバスと変わらない年齢にしか見えない。ただエバスは執事ではなく料理人としてこの世界を満喫しているらしい。
『まぁ、執事となったのは父の時代からですから。』
「ただ、クリスの方はしっかりと才能を受け継いだらしいからのぉ……。伝説の執事の呼ばれる様になっていたのは知らんかったがな。」
『そうですねぇ………。』
そんなこんなで2人が話し込んだ後、エバスから料理を出して貰った。……ただ、伝説の執事の親である事は確からしく、出てくる物はどれも絶品なのだった。私が喜んで食べている様子をエバスは笑顔で見守っていたのは恥ずかしいとも感じたけどな……。
「しかしこの国には転生者は多いのか?」
「そうですね。軽く50人くらいはいますよ。名前を変えている人ばかりですけど。実際名前を前世のままにしているのは扇城様と私くらいなものです。」
「……まぁ、普通は前世の名前を使わないよな……。」
「そうですよね。所で話を変えますが私の料理はどうでしたが?」
「絶品だったよ。黒華鉄家のシェフ達よりも上だった。あの人達も一流を名乗れる人材だから格上とは感じなかったけど確実に上なのは分かる、それ程絶品だったよ。」
それにこの世界で初めて食べた最初から調理されたカレー等、異世界で見つかりにくい物でランキング入りしそうな米や香辛料、大豆等を使う料理が多いため完全に前の世界と変わらない食生活が充実している気がする。……いや、これどこで集めたんだと思いながら私はカツカレーを平らげるのだった。




