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遭遇-3

ミアッペ山脈に移動し、ダンジョン入り口だと他の誰かに聞こえるかもしれないために黒木と蔵鮫と供に少しだけ奥に進み、蔵鮫の取り出した『レジャーシート』の上に座って話す事になったのだった。


「……………まず最初は黒木がなぜ私が男で無く女だと確信を持って言えたのかという事について話して貰おうか。少なくとも、私はサラシを巻かなくても十分男だと言える位の鉄板なんだけど。」

「……………確かに、男子制服に一切の膨らみが無いよ…………」


私の事を膨らみが無いという蔵鮫にはそこそこな胸が付いている。野球ボール以上ハンドボール以下位の胸が……………まぁ、それが羨ましいと思う事は無いだろう。


元々男として暮らさなければならなそうな時に胸が大きくなってラノベや同人誌みたいな状況になって面倒事が増える事も無いし、ノーブラで過ごしていても老後に垂れる心配も無いからなぁ………貧乳は最強のステータスですよ!!と思う。


「………………見た目の話は置いておくとして、まず私と黒木は初対面だ。それに一人称は私というのを使っていて、帝高校チャットで顔を出した時も女だと公言した覚えは無い。つまり、なんらかの形で黒木だけが私が女だという情報を得たわけだ。」

「なぜそう思うんだ?お前が女である事を知っているのが俺だけだと。死んだ美華も情報は得られたはずだぞ?」

「それは無いな。美華の性格上、私の事を女だと知っていれば何らかの形で遊んでくるだろうよ。それをするそぶりが無かったという事は糞親父から何も聞いてないか垂れ流したかのどちらかだろうよ。」


しかし、美華と直接会ったのは糞親父が私を黒華鉄財団から追い出した時と、連れ戻された時と彼が死んだときの三回………そのどれも私は女らしい格好をしていなかったのだ。普通に考えれば気付かれていなかっただろうと思う。


「……………………で、結局一夜はなんで剣城ちゃんが女だと知ってたの?まさか浮気?不倫?寝取られた?」

「んなわけねーだろ。コイツと俺は初対面だからな………それに、一般人になっていたコイツに会う時間なんて存在しなかっただろうが……………。」

「そ、そうだよね…………よかった……………。」


蔵鮫はホッとしているが、黒木は頭を少しだけ押さえていた。………………まぁ、そんな事はどうでも良いのだが、少しばかり痴話喧嘩になりそうな雰囲気があったので、私は『レジャーシート』を『鑑定』する。すると今度は普通に出来たのでやはり二人が『鑑定』をブロックするスキルを持っていると確信したのだった。

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