魔法でヒーローショー-5
それから2週間程でヘルムライダー アルカのテレビドラマ版の撮影が終了した。まぁ、その時の変身ベルトのギミックは兎に角大変だったと思う。初期のライダーみたいにフォームチェンジが色と武器だけ変わるという事に出来ず、鎧自体を裏返して再展開する形での装着だったからなぁ………。
これの原理はタロットカード占いでの正位置と逆位置が関係しているらしい。……まぁ、CGで出来るならばベルトを2つにしておけば良かったのだけど、1つにまとめる事になっていたからなぁ……。
「でもこのおかげで戦力はアップできたから良かったのか……?少なくとも足手まといにはならなくなった気はするが……。」
「いや充分よ。これだけでどれだけ強化されてると思ってるのよ……。」
オーレンから情報を貰えたので非戦闘員だったカグヤと大橋にそれぞれ変身アイテムを渡したのだ。ついでに言うとこれは撮影用に威力を調整した物では無く、戦闘用に調整した物だ。なので2人も一応闘える様にはなったのだ。……もっとも大橋は戦闘力が格段に上がっただけで、一番戦闘能力の低いアルにすら負けているのだけど。
「大橋がアルに負けたからさらに機能増やしてアルの方にも変身アイテムは作ったが……これ、オールライダータイプの場合はとんな風に作成するんだろうな……。」
「その時は妥協しますよ。……でも戦闘用の変身アイテムは私も欲しいんですが……まぁ、設計のコツに関しては頂いていますので自力で作ってみますね。」
オーレンはそう言いながらこの町を出ていく私達の見送りに来た。オーレン達にスマホを渡しているのでいつでもここに行けるのだが、2週間毎日通い詰めたアルと大橋はまた新しいアトラクションが出来るまでは来ない方が良いと判断したのだろう。下手したらこの町自体に飽きるのが明確なので無理に引き留めようとはしてこないのだった。
「でもこの2人に〖ヘルムライダー リンク〗と〖ヘルムライダー ガード〗はやりすぎじゃないですか?2つとも最強ライダーと噂される程ですよ?」
「それくらいしないとすぐ死ぬだろうからな……。」
「言い返せないのが本当に腹ただしいけど事実だから何も言えないわね……。でもこれで闘う力はついたわけね。」
「あくまで補助的な奴だけどな。」
ただ、最初はこれを作らなくても良いのでは無いか?と思っていたのだけど、後からやっておいて正解だったと思える事がおきる事を私はまだ知らなかった。正直なんでここまで厄介事に巻き込まれるのかは分からないが私達は総力戦をやる事になるのだが…まぁ、それはいずれ起こりうる事だったので後から後悔しなくても良かったと思うのだった。